いくらかかるか予測不可能?お受験塾代の盲点

なぜ想定外の出費がかさむのか
2021年05月09日 06:00
ファイナンシャルプランナー(CFP®)、健康経営エキスパートアドバイザー
  • 個人差もあって実態がつかみづらい小学校受験の費用のリアルに迫る
  • 年少の11月から2年間の塾代試算で80~150万円。「想定外」上積みも
  • 五月雨式のオプション利用が高額出費に。志望校対策に沿って目処を

年間に100万円から200万円といわれる、小学校受験の費用。実際には個人差が大きく、また、具体的にどんなお金がかかるのかは意外と知られていません。なかでも大半を占める幼児教室など塾の授業料でさえ、具体的な金額を把握するのは思いのほか難しい一面があります。お受験塾にかかる費用と盲点を、子どもの小学校受験を経験したファイナンシャルプランナー(FP)が紹介します。

SB/iStock

お受験塾にかかる費用は月2~7万円

わが子にお受験をさせると決めたとき、多くの人が扉をたたくのが受験対策の幼児教室(塾)です。入会すると、毎月の授業料や教材費、学内外の模擬試験代が定期的にかかります。

小学校受験対策のコースは週1回の授業で、年少までなら月2~5万円程度、年中で月3~6万円程度、年長になると月4~7万円程度かかるのが一般的です。塾によっては授業料だけで年間80万円を超えることになります。

文部科学省の「子どもの学習費調査」によると、幼稚園児がかける学習塾費の平均額は年間約2万7千円(私立幼稚園の場合)。大都市や東京23区に絞ると約5万4千円と全国平均の2倍であるものの、お受験となるとケタ違いのお金がかかることがわかります。

受験対策を始める時期は家庭によってまちまちです。年長から始めるお子さんも多いですが、年中の春(厳密には11月~1月頃を年度初めとする幼児教室が多いため、年少の3学期前後)から幼児教室に通い始めると、本番までの時間に比較的ゆとりをもって準備できるともいわれます。年少の11月から年長の11月までの2年間通うとすると、塾代の総額は80~150万円程度になります。

当然、もっと小さい頃から対策を始める家庭もあります。特に難関校といわれる私立小学校を狙う場合には1歳や2歳から幼児教室に通うケースが珍しくありません。その場合には長期間にわたって塾代がかかり続けます。

また、年長になると志望校別のコースを設ける幼児教室もあります。基本コースのオプションとして受講するしくみになっている場合には、月額が上乗せされることもあります。

わかりにくいお受験塾の費用

実はこうした塾代のイメージをつけるだけでも、意外と大変です。幼児教室の費用の情報は、思いのほか不透明なためです。

小学校受験の対策塾には、大手の幼児教室もありますが個人塾など小規模なところが多く、ホームページを設置していない教室もあります。また、ホームページはあってもあまり更新されておらず最新の情報がわかりにくい、料金が掲載されておらず、電話で問い合わせないとわからないケースもあります。

大手の教室でも、ホームページ上には授業料を明記しておらず、資料請求をしてパンフレットを送ってもらって初めて具体的な金額がわかるようになっているところもあります(もちろん、規模の大小問わず、ホームページ上で料金を公表している幼児教室もあります)。

お受験をしようと思い立ったとき、まず幼児教室の費用を知りたいと思ってもなかなかたどり着けない。お受験の入口には、お金のそんな落とし穴があります。筆者も、近隣の幼児教室には直接出向いてチラシをもらったり、大手の資料請求をしてパンフレットが届くまでは個人の人が書いたお受験ブログを頼りに検討していました。

予測不能なお受験塾の費用

幼児教室に入会したら、あとはとにかく子どもを休まずに通わせ、宿題をこなせばいい。そう思っていたわが家の考えが甘かったことに気づいたのは、入会して3カ月ほどがたった頃でした。ゴールデンウィーク中の特別講習の案内が配られ、1コマ数千円の別料金がかかることになったのです。

入会当初から、夏期講習や冬期講習は想定していました。年長になれば直前講習のラッシュが来ることも、なんとなくは想像がつきます。しかしゴールデンウィークや、秋休みの時期で大人には仕事がある平日にも講習があるのはまったくもって想定外で、入会前に立てていた受験費用の計画は早くも頓挫してしまいました(本当に甘かったです…)。

ぴょんぴょんうさぎ/写真AC

想定外の費用はほかにもありました。時期を問わず、子どもの習熟度に応じて随時開催される特別講座や個別指導、宿題とは別に行うドリルやプリント、オプション扱いになる校内テストなどなど….。

特に事前に予定されていなかった特別な講習が急遽開催されるようなときは予測不可能で、表面化していない費用が次から次へと生じます。

入会・入塾前に各教室が実施する説明会では、コースの説明の他、受験期までの一通りの受講例、スケジュールを例示してもらえるのが一般的です。その受講例に沿って講座の受講料を確認すれば、一連の費用をおおまかに見積もることはできます。志望校が決まっていれば、それに必要なオプションも教えてもらえることが多いです。

ただ、事前に細かな講習やオプションまですべてを把握しておくこと、ましてその費用を推計しておくことは現実的には難しいというのが実感です。特に第1子の場合は親子ともに受験が初体験(幼稚園受験をしていなければ)で、わからないことがあまりにも多すぎます。

親御さん自身にお受験の経験があったり、きょうだいの受験を経験していれば、講習を取捨選択する、テキストは再利用するなど、上手に出費を抑える方法を心得ているかもしれません。もちろん初めての受験でもお金をかけずに済ませることもできますが、やはりそこが親心の弱いところ。

1回あたり数千円程度ならと、さまざまなオプションを五月雨に利用するうちに、想定以上に高額な出費に膨れ上がってしまいがちです。

お受験対策を始めるときには、志望校や家庭の考えに沿ってある程度は具体的な金額を想定しつつ、少しゆとりをもった予算を準備しておくのが賢明です。

 

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ファイナンシャルプランナー(CFP®)、健康経営エキスパートアドバイザー

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