外資規制緩和要望の影響?民放株が急伸するも、報道番組は鮮やかにスルー

国内メディアは「タブー扱い」?

17日午後の株式市場で、民放キー局全5社の持ち株会社の株価が一斉に急伸し、その値動きが注目された。

最も激しく動いたのがTBSホールディングス(HD)で一時、前日比で12%近くも急騰(終値は6.79%増)。フジ・メディア・HDとテレビ朝日HDがそれぞれ4%超、日本テレビHDは4%近く、テレビ東京HDも3%台半ばまでそれぞれ値上がりした。

株価が最も上がったTBS(mizoula /iStock)

株価に影響を与えたとみられるのが日本民間放送連盟(民放連)の発表だ。放送が世論に与える影響力の大きさを踏まえ、現行の電波法や放送法では外資の出資比率を20%未満に抑えるように定めているが、民放連はこの日、放送株の外資規制について、一部見直しや実務作業の簡素化を求める意見書を総務省に提出した

しかし、2021年に、衛星放送の認可を受けていた東北新社とフジ・メディア・HDの外資比率が20%を超えていたことが相次いで発覚。総務省は、東北新社の放送子会社の認可を取り消し、フジについては厳重注意処分にした。両社の処分内容に格差があったことも当時のネット世論で物議を醸したが、放送局側は総務省の省令見直しに合わせ、外国資本の間接出資を直ちに把握することが実務上難しいことなどを踏まえた、新たなルール作りを求めた。

一方で、この日の株価の急伸や、民放連の意見書提出についていち早く報道したのは、ブルームバーグロイターといった外資メディアだった。グーグルニュースでは18日未明の時点で、キー局が配信するネットニュースや大手新聞でも取り上げた形跡はなさそうだ。

かつてライブドアのニッポン放送株買収や、楽天によるTBS株買収で揺れた2000年代に比べると、放送局の経営権や電波制度について知られるようになってきたが、当事者の放送局の報道部門をはじめとして、国内メディアではいまだに「タブー扱い」の話題かもしれない。

 

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