前副首相との不倫を告白した中国テニス選手、消息不明前にSNSで暴露した内容とは?

「私は自爆的な手段をとって事実を口に出します」
ライター
  • SNSで40歳年上の高官と不倫関係にあり、同意のないセックスを迫られたと暴露
  • 両者の関係は10年ほど前にさかのぼり、当初は愛し合う関係だった
  • 「自爆的な手段で事実を口に」強い覚悟をもって投稿か

テニスのウィンブルドン選手権で優勝経験もある中国のテニス選手・彭帥(ポン・シュアイ)さん(35)が、消息不明となっている。

彭帥さんは2日、SNSに文章を投稿し、張高麗(ジャン・ガオリー)前副首相(75)とかつて不倫関係にあり、性行為を迫られたなどと明かしていた。

中国のネット上では、この件について検索しても一切情報が出てこない状態。中国国外の華字新聞などでは、詳細に報じられている。そうした報道で彭帥さんの投稿内容を確認すると、彭帥さんは張高麗氏と長年愛人関係にあったものの、破綻したと見られる。

「はっきり言えないし言っても無駄だと分かっています。でも、言いたい。嘘を続けることに耐えられなくなりました。私はもの良い子ではなく、すごく悪い女の子かもしれません」

彭帥は、このように書き出し、性的関係を迫られたときのことを説明。3年ほど前に北京で一緒にテニスをした後、張高麗氏と同氏の妻に連れられ、自宅を訪問したという。不倫相手の妻と対面して家に招かれるというのは、どういう状況だったのか。当事者にしか分からない関係性があったのかもしれない。

「部屋に連れて行かれると、10年前の天津と同じことが起きました。セックスを求めてきたのです。本当に怖かった。こんなことになるとは、思ってもいなかった。まったく同意しておらず、その日の午後はずっと泣いていました。晩御飯は3人で一緒に食べ、張高麗は『宇宙は広く、地球は砂粒のようなものだ。人間など砂粒にも満たない存在だ』などと語っていまいたが、それは私の心理的負担を取り除くためだったのでしょう」

愛人として蜜月期もあったという。

「人の気持ちというのは複雑なもので、うまく言葉にできません。あの日から私はあなたへ愛を注ぐようになりました。仲良くなるに連れて、本当に良い人だと思いました。私にもとても良くしてくれました」

彭帥さんに関係を迫ったとされる張高麗氏(2014年撮影、米国務省flickr

ロマンチックな言葉も交わし合った。

「私は自分が憎いし、この世界で経験したすべてが憎い。あなたは私に『とても愛している。生まれ変わったら、20歳と18歳の時にまた会いたい』、『自分はとても孤独で哀れだ』と言っていましたね。私たちは語り尽くせないほど語り合いました」

だが、徐々に関係が悪くなったという。

「最初は良かったのですが、時間が経つにつれて不公平なことや屈辱的なことばかりになりました。あなたの妻は聞き難い侮辱的な言葉や嘲笑を私に浴びせてきました」

投稿の終盤では、これは捨て身の告白だと吐露した。

「レコーダーで録音したり証拠を残されたりすることを、あなたはいつも怖がっていましたよね。私には何も証明できるものなどありません。音声も動画もない。あるのはねじ曲げられた私の経歴だけ。あなたのような立場の人から見れば『何も怖くない』のでしょう。でも、卵が石にぶつかるかのように、一匹の蛾虫が火のなかに飛び込むように、私は自爆的な手段をとって事実を口に出します

彭帥さん本人の投稿は20分間程度で削除されたと見られるが、相当の覚悟をもって告発に臨んだことが感じ取れる。現在は消息不明となっていて、当局から身柄を拘束されている可能性も考えられる。2人の男女の間に実際に何があったのかは分からないが、ともあれ無事を祈りたい。

なお、中国のネット上の反応は、先述したように確認できない状態だが、アメリカ発のSNSであるツイッターやフェイスブックであれば中国語でもさまざまな書き込みが見られる。

「彭帥は世界を動かしていてすごい」

と褒め称える意見があれば、

「(投稿の削除について)これが中国のスピードだ」

「これこそ中国式民主」

などと当局に皮肉をたっぷりと込めた意見も見られた。

 
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