どこに住むかで進学先が決まる⁈ 意外に語られない中学受験のリアル

東京都内で私立中進学者が多いのはどのエリア?
ファイナンシャルプランナー/キャリアカウンセラー/(株)イー・カンパニー代表
  • 子育て世代のマネー相談で、中学受験と住む場所の相関性を感じさせる声
  • どのエリアが私立中に進学している?東京都の教育委員会の最新データから
  • 都内における子育て世代は、住まい探しの段階で「中学受験」を考えるべき

こんにちは、ファイナンシャルプランナー/キャリアコンサルタントの八木陽子です。

今回から複数回にわたって、「中学受験とお金」についてお伝えしていきます。。

これまで数多くの教育費や受験のお金の記事を手掛けてきましたが、我が家の状況にはなるべく触れずにいました。でも、現在、我が家には、小学6年生、数か月後に中学受験を控えた娘がいます。当事者だからこそ、伝えられることもあるだろうと感じ、渦中の状況もお伝えしていきたいと思います。(いわば、迫真の体験レポです!)

住まいと中学受験の気になる相関とは?(※画像はイメージ=作:こうまる/Photo AC)

「マンションでは、みんな中学受験」

杉並区に住む我が家ですが、上の息子は、中学受験はせずに高校・大学受験でした。息子が小学生の10年ほど前、周りの男子は、受験勉強どころか、学校の授業もろくすっぽ聞いていないようなやんちゃ坊主もいて、男子の中学受験組は少数派だっです。女子は男子よりも受験するご家庭がいたように思いましたが、今よりは高校から入学できる私立女子高もありましたので、過熱というほどの中学受験ではなかったように思います。

ところが、8歳離れた娘が4年生になる2年半前の春、5~6人とはいえ、仲良しの友達“全員“が学習塾に行き始めました。恐るべし、女子の受験率の増加か、「私も塾に行きたい!」と、友達に流されやすい我が家の娘。そして、なぜか娘の受験にはやる気に満々であった夫に「そろそろ塾に行かないと、間に合わないぞ」と散々促され、「仕事をしている私にできるだろうか」と、我が家の中では、私が一番恐る恐る、引き気味で、娘の中学受験のスタートを切ったのでした。

また、近年、仕事上においても、中学受験について気になることがありました。弊社は子育て世代を中心としてマネー相談や講座を行っていますが、「今の住まいでは、中学受験を選択せざるえない」といった声を聴くようになったことです。

「住んでいるマンションでは、みんな中学受験をしています。中学受験をすることにしましたが、我が家のマネープランは大丈夫でしょうか」といった内容です。

作・だだAC /Photo AC

「中学受験をしない=虐待」!?

そして、最も驚いた言葉に、ある区にお住まいのAさんがマネー相談に見えたときに、「中学受験をしないと、子供を虐待しているぐらいに思われそうで…」とつぶやかれたことです。

私は思わず「中学受験をしないのが、虐待ですか⁉」とオウム返しに聞き返してしまいました。

私には、「虐待」という言葉は、本来の身体的・精神的虐待に使うか、最近、「教育虐待」という、勉強させすぎのときに使用すると思っていたので、「中学受験をしない=虐待」と、逆転して表現されるほど、中学受験に熱心なエリアがあることに、ちょっと身震いした記憶があります。

また一方で、住宅購入の相談の現場では、「中学受験に有利な地域に引っ越したい」と受験にまっしぐらのご家庭もあります。住まいと中学受験……密接な関係になってきています。

どのエリアが私立中に進学しているか

そこで今回、先日(2021年10月28日)公表されたばかりの東京都の教育委員会の数値から、改めて、どのエリアが私立中学に進学しているのか、調べてみることにしました。公立小学校の卒業者が私立中学に進学した率になります。

また一般的には、女子のほうが、中学受験率が高いと言われていますが、実際どうなのかも比較しました。都内23区といくつかの市を含めた32位まで出しました。

何が何でも私立ではなく、希望する中学に落ちたら、地元の区立中学に進学する人も一定層いて、この数値は受験率ではありません。また国立に進学する子もいます。そのため、中学受験率では、各エリアもっと高いと思ったほうがよいでしょう。

では、1位はどこでしょうか?

【私立中学進学率ランキング】

1位は文京区になります。東大もあり、自然とアカデミックな雰囲気が漂うエリアで堂々1位もうなずけます。男女あわせて47.4%の子供たちが私立中学校に進学しています。

そして、11位までは23区内で占められていますが、12位に武蔵野市が入っています。吉祥寺など、人気の高級住宅街がある市です。

そして32位まで見ていて分かった結論ですが、どの区も男女差はそれほど大きくありません。むしろどの区に住むかが大きいのではないでしょうか。32位の江戸川区は11%。10人に1~2人が私立進学といってよいため、受験派はマイノリティな可能性が高いでしょう。

ちなみに、中学受験しなければ虐待になるという、驚きの表現を使ったAさんは港区の方でした。

私立中進学率最多の文京区(kuremo /iStock)

住まい探しの段階で一考を

住まいを選ぶとき、子供が小さかったりすると、中学受験のことまで頭の片隅にもなく、家をご購入される方がいます。

ただうっかり中学受験に熱心な地域に住んで、不本意に中学受験を選択すると、平均250万円~300万円かかると言われていますから、自分が価値を見出せないものに大金を使うことになってしまいます。

逆に、中学受験をするつもりだったけれど、周りがあまりしていないエリアというのも、辛いはずです。友達と遊ぶ時間を惜しんで1人だけ勉強しなくてはいけません。もし中学受験をするなら、ある程度、周りも中学受験をする区に住んだほうが、子供もその気になりやすいですし、情報も多いです。

小学校高学年になってから、気軽に「では、お引越し」というわけにもいかないはずです。都内における子育て世代は、住まい探しの段階で、「中学受験」をどうするかを夫婦で一考しておいたほうがよいでしょう。

中学受験とお金、次回も続きます。

(※編集部より:次回は12月18日の予定です。)

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