新生銀行の急転決着、SBI北尾氏ブログで心境「何が私を変えさせたかと言えば…」

「一体となって収益力を上げ公的資金を返済」強調

SBIホールディングスの北尾吉孝社長は25日夕、公式ブログを更新し、新生銀行が臨時株主総会の前日に買収防衛策を撤回した「土壇場」の急展開について心境を明らかにした。

SBIホールディングスの北尾社長(編集部撮影)

新生銀の工藤英之社長と多くは語らないことで合意したというものの、「私が此の結論を導き出した思想的背景だけ皆様に説明致しておきます」と書き出し、中国の古典に精通した北尾氏らしく、キーワードに「信・義・仁」の3文字を挙げた。

新生銀が国に返しきれていない公的資金3500億円の返済を大義に掲げたことを「義」とし、「信」については、大株主の国がSBIの再建策を評価したことを伝える報道記事を引用しながら「社会的信用を落とすこともありません」と誓った。その上で、北尾氏は「では何が私を変えさせたかと言えば、それは「仁」であります」と述べ、「あの決戦場で新生銀が完膚なきまでに仮に負けたとしたら、経営陣は兎も角どう従業員は思うか、といったことを相手の立場で今一度考え直してみたわけです」と述懐した。

古代中国の兵法家・孫子の教えである「百戦百勝は、善の善なる者に非ざるなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」も思い浮かんだといい、「『善の善なる者』を追求することが上策」として戦わずして勝つことを北尾氏らしい表現で綴った。

このあたりはやはり買収後の組織融合の課題を意識してのことだったようで、「今回の件で間違っても、新生銀の数多の優秀な人材が進駐軍に占領されたといったふうに思ってはなりません。私が目指すは正に、新生銀行グループとSBIグループが一体となって心を一にし、そして収益力を上げ公的資金3500億円を返済するという大義を果たすこと、こそです」と強調。

それを考えると小戦に勝った負けたなどと言うよりも、寧ろ現マネジメント・工藤さんとも虚心坦懐に話をし、彼と共に此の大義のため一緒になって努力して行きたいと思いました。そうすることで、これから両グループ力を合わせてやって行くことが出来、今後生じる様々な事柄もスムーズに行くのではないかと思いました」と、今回の決着の意義を改めて述べていた。

関連記事:SBIと新生銀行の攻防戦、買収防衛策撤回で「チェックメイト」

 

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