ミツカン父子引き離し事件、「子どもを連れ去った者勝ち」の日本は、子供の権利条約違反だ

生後4日の赤ちゃんを「養子によこせ」と言われ…
ジャーナリスト
  • ミツカン創業家「娘婿」が子どもと引き離されたとして会長らを相手に訴訟中
  • 娘婿の主張では、産まれたばかりの長男を夫妻の養子にするよう要求された
  • 娘婿の勤務地だったイギリスでは大きく報道。裁判についてミツカンを取材すると…

ミツカン創業家の「娘婿」中埜大輔さんが、「ミツカン社とその創業家によって、組織ぐるみで生まれたばかりの長男と引き離されたことは、国際法違反の児童虐待である」として、同社の会長・副会長夫妻を相手に損害賠償請求訴訟を起こしている。13日には東京地裁でその第1回口頭弁論が開かれ、その後大輔さん(被告との混乱防止のため以下「大輔さん」)と代理人の河合弘之弁護士が記者会見を行った。

記者会見する中埜大輔さん(右、13日、東京・霞が関の司法記者クラブ)

「親子引き離し」信じがたい“手口”

訴状などによると、ミツカングループは日本のほか、アメリカ、イギリスなど世界各地に支店や生産拠点をもつ大企業。江戸後期の1804年、初代中野又左衛門が創業して以来、中埜一族の「一子相伝」による支配的な経営がなされている。

同社の株式や同家の財産は、その「一子相伝」の中埜家の当主と次代の当主が保有しており、中埜家の当主が代々、ミツカンの代表者となってきた。そして、中埜家による経営・支配を次代以降の血族に引き継いでいくことを”至上命題” としているという。

大輔さんとミツカンの跡取りである妻・Sさん(会長・副会長夫妻の娘)は、2012年に知人を介して知り合い、2013年5月に婚姻届けを提出。大輔さんは外資系金融機関の仕事をしていたが、Sさんが跡取りであることから、“婿入り婚” をして、ミツカンに入社した。2014年6月には、大輔さんは長男を妊娠中のSさんと渡英、ミツカン英国支店での勤務となった。

同年、Sさんは無事に長男を出産。ところが生後4日、ロンドンに来た会長・副会長夫妻は、大輔さんの目の前に養子縁組の書類を広げ、産まれたばかりの長男を夫妻の養子にするよう迫ってきたという。

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