【参院選2022】泡沫のはずが大穴 !? 「参政党」議席獲得のサプライズあるか
党員5万人超、選挙資金4億円集金...急拡大でメディアも反応変化- 参院選で諸派の参政党が予想外に健闘?
- 当初「泡沫」視されるも、党員数5万人突破、資金4億円集め注目度上昇
- 自民離れの保守層切り崩し?れいわ、NHK党と集金力で比較すると…
今週はいよいよ参院選が22日にスタートする。堅調に高支持率をキープしてきた岸田政権・自民党は、止まらぬ物価高への不満を背景にここに来て内閣支持率が2〜5%程度ダウンする動きがあったものの、投票先としては以前として自民党が37.5%のトップ(時事通信6月10〜13日調査)を快走。対する野党は立民と維新が6%台でしのぎを削りあう低迷ぶりだ。
しかし、そうした中で“ダークホース”として急速に注目を集めつつある新興勢力が諸派の「参政党」だ。

「泡沫」のはずが、党勢じわじわ拡大
参政党は2021年4月、元大阪府元吹田市議の神谷宗幣氏、政治系YouTuberのKAZUYA氏、政治アナリストの渡瀬裕哉氏、財務省OBで元衆院議員の松田学氏、ジャーナリストの篠原常一郎氏の5人のボードメンバーで結成。5人の共著の題名にもなった「投票したい政党がないので自分たちでつくってみた」という触れ込みで活動を開始した。
しかしまもなく路線の行き違いが出始め、KAZUYA氏と渡瀬氏が離脱。新たに医療法人会長の吉野敏明氏、昭和の伝説的な右翼活動家、赤尾敏(1889〜1990)のめいで、アルミ製造会社会長の赤尾由美氏らが中核メンバーとして参加した。政策的には反グローバリズムを掲げるなど保守色を強めてリニューアルし、国会での議席獲得を目指して政治活動を本格化。昨年12月には、神谷氏、松田氏らのメンバーと、中部大学元特任教授の武田邦彦氏らが参院選をめざして参戦することを表明した。
10人以上の候補者を擁立したことで「みなし政党」(諸派)扱いとなったものの、当初メディアの大半は「泡沫」としてしか見ておらず、マスコミが定番の選挙報道記事以外に取り上げることがないどころか、ネットメディアでもほとんど報じられなかった。
しかしYouTubeチャンネルで24万人超の登録を誇る松田氏に代表されるように、ネットの発信力が小さくなく、国の新型コロナワクチン政策に異論を唱え、マスク着脱の自由化を訴えるなど“独自のコロナ政策”で支持を増やし、リアルでも全国各地で街頭イベント、政治資金パーティーを開催して党勢をじわじわと拡大。関係者によると、今月中旬には、党員数は5万人を突破、選挙資金も4億円集めるまでになった。
自民支持「岩盤保守層」崩すか?
候補者の擁立数でも異例なのは、全国の45選挙区すべてに候補予定者を配置した(6月15日時点)。これは自民党の49人に次ぐ規模で、野党第1党の立民ですら31人にとどまっている点からしても、驚異的な擁立体制だ。昨年12月の1回目の記者発表時に目標として掲げた当時は疑問視する向きもあったが、頭数は揃えた。今月8日には比例も合わせて49人の立候補予定者が東京・新宿に集結し、街頭演説会を敢行。主催者の見積もりながら800〜900人もの聴衆を集めるなど盛況だった。

党勢の急拡大ぶりを受けて、選挙のプロやメディアの反応も変わってきた。今月上旬には、前京都市議が、関西の複数のローカルメディアが運営するニュースサイトに寄稿したコラムで参政党の躍進ぶりを取り上げ、ヤフーニュースで初めて参政党にクローズアップした記事が掲載された。さらに夕刊フジでも恒例の議席予測で、著名な選挙プランナーが比例区で1議席獲得との見方を示し、これも大手メディアで初めて議席獲得の可能性を論じる記事となった。
これまで相手にしていなかった他党でも警戒する動きも出ている。自民党の和田政宗参院議員は、月刊Hanadaの電子版に5日付で掲載された寄稿で、「安倍政権の国政選挙の際には必ず支えていた岩盤保守層約20%が今回そのまま自民党に投票するのか」と疑問視。岸田政権下で保守層の離反がひろがりつあることに警戒を示し、「20%のうち10%弱はすでに自民党支持をやめているとみられ、これらの方々は、参政党や新党くにもりに投票するか、投票に行かないという行動を取るとみられる」と述べ、競合として名指しした。
れいわ、N党と集金力で比較
2019年参院選では、選挙中はマスコミにほとんど取り上げられなかった、れいわ新撰組とNHKから国民を守る党(現NHK党)という2つの新興勢力がネットも効果的に使って支持を広げ、議席の獲得のみならず国政政党要件となる得票率2%以上を達成した。
れいわとNHK党、そしてここまでの参政党を比較すると、当時のれいわとNHK党も億単位での抜群の集金力があった点では共通する。前回参院選翌年の政治資金収支報告書によれば、れいわは個人献金主体で約5億円を集めた。山本太郎代表のカリスマ性もさることながら、非正規雇用の人たちや生活の苦しい氷河期世代が少額でも寄付したのが特徴的で、「奨学金チャラ」などの訴えが奏功したとみられている。
一方、N党は総収入で約6億8000万円とれいわの約6億400万円を上回ったが、個人献金は約4300万円にとどまり、収入の大半となる約5億5500万円は借入金だった。有権者にネットで「100万円単位で利息は年利10%」をうたいお金を貸すように呼びかけており、寄付文化の薄い日本社会では、融資という形を取ることでお金を集めやすくする工夫をしたとみられる。
参政党の収支報告書が明らかになるのは来年11月だが、今回集めた4億円の多くが寄付だとすれば、れいわに劣らない集金力を見せていることになる。ユーチューブの公式チャンネルの再生回数は6月に入ってから多い時には10万超も。前評判を覆してきたこの勢いは本物なのだろうか。
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(関連記事:選挙結果など)
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