「深く反省」au通信障害、KDDI社長の記者会見に、技術系ネット民は好意的

「開示可能な情報の範囲内でやり切った、すごい」

KDDIの高橋誠社長は3日午前、緊急記者会見を開き、前日未明から発生した携帯電話「au」など同社の通信網の大規模障害について、「社会インフラを支える、また安定したサ-ビスを提供する立場である、そのような立場である通信事業者として、深く反省しています」と陳謝した。

Picturesque Japan /iStock

今回の障害原因については、2日未明に行ったメンテナンス作業でトラヒックのルート変更をした際に故障が発生し、VoLTE(ボルテ)と呼ばれる交換機でトラヒックの輻輳が起きたためという。今回の障害により、運営する「au」や回線を利用するMVNOの「UQモバイル」などを合わせて最大で3915万ユーザーに影響した可能性があるという。西日本エリアは午前11時に復旧し、東日本エリアは午後5時30分ごろに復旧作業を終える予定としている。

高橋社長の会見は報道各社がネットでいち早く速報。携帯で通話ができず、キャッシュレスサービスも使えなくなるなど甚大な影響が出てSNSでは前日から怒りの声が上がっていたが、会見そのものについてはエンジニアやIT関係などのネット民から

技術者の端くれとしてKDDIの会見を見ていたが、KDDIに対する好感度がかなり上がった。幹部があらゆる質問を打ち返せているし(なにより驚いたのは社長がiOSとAndroidの仕様差分に言及した点)、慌てふためいたり助けを求めたりするシーンがまるでない。

KDDIの社長は技術を含めて状況把握はできているし、障害を考えると復旧に時間がかかったのは仕方ない。

総じて「よくこんな中途半端な事態解明状況で記者会見開けて、開示可能な情報の範囲内でやり切った、すごい」という感想だった

などの好意的な意見も出始めている。

高橋社長は1984年、横浜国立大学工学部卒業後の4月に京セラに入社し、同社が6月に設立したKDDIに出向。携帯ビジネスの草創期からネットサービスの開発などに取り組んできた「生え抜き」社長だ。社内や技術の要所を的確に把握しているとの評価がされている。

しかし、高橋社長の会見の1時間前に記者会見した金子総務相は、今回の大規模障害について「電気通信事業法上の重大な事故に該当する」との見解を示した。今後、国やメディアから責任論が出るのは必至で、ネット民の中には、

最も残念なのは、おそらくこのとんでもなく優秀な高橋社長が引責辞任するであろうということだ

行政や政治、メディアがKDDIの社長を辞任に追い込んだら、まともな人は国内のインフラ・技術会社の経営を引き受けなくなる。

などと擁護する意見もあった。

 
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