大谷効果?若い世代で野球人気が復活、日米の経済効果は年間240億円超の試算も
CCCが分析「18歳から29歳までの特徴」は?- 「野球とサッカーどっちが好き?」意識調査。全世代で「野球派」が多数に
- 11年前の世論調査で若い世代は「サッカー派」が多数。「大谷効果」が理由?
- 大谷選手が日米で生み出す高い経済効果。経済効果算定の第一人者の算定では…
TSUTAYA(ツタヤ)の運営会社で知られるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC、東京都渋谷区、増田宗昭社長)は4日、「野球vsサッカーに関するアンケート調査」の結果を発表した。
「野球とサッカーどっちが好き?」との問いに、全世代では48.2%の人が「野球が好き」と回答。「サッカーが好き」と回答した人は28.0%、「どちらも好き」と回答した人が23.8%だった。世代別に見てみても、どの世代も「野球派」が「サッカー派」を上回っている。18歳から29歳でも、46.3%が「野球派」だったのに対して、「サッカー派」は31.6%に留まった。
11年前は若者は「サッカー派」多数
この結果を意外に思う人も少なくないのではないか。読売新聞が2011年2月に行った全国世論調査では、若い世代は「野球よりサッカーが好き」と回答する人が多かった。この時の読売新聞の世論調査によると、20~40歳では「サッカーが好き」と回答した人が多かった。反対に、「野球が好き」と回答した人が多かったのは、50代、60代、70代以上という結果だった。
実際に、野球をプレーする若者も激減している。日本中学校体育連盟によると、2021年度に中学校の軟式野球部に所属する生徒は約14万4000人だった。5年前の2016年度は約18万5000人、さらに5年前の2011年度は約28万人だったことから、中学生の野球人口はこの10年で半減しているわけだ。
高校野球も同様で、高校野球部に所属している生徒数は、年々減少している。今年行われた「第104回全国高校野球選手権地方大会」の参加校数は3547校。第84、85回大会(2002年、2003年)に過去最高の参加校数4163校を記録して以降、減少が続いている。
全スポーツ選手で一番人気が大谷選手
こうしたことを考えると、今回の調査での若者の野球人気は意外なほど高いと言える。背景には何があると考えられるのか。
調査したCCCマーケティンググループは、「他の世代と比べると、『チームあるいは選手が強いから』という理由で、野球もしくはサッカーが好きになったという人が多かったのが、18歳から29歳までの特徴でした。さらに、全スポーツ選手のうち一番人気だったのは大谷翔平選手。若者の野球人気と大谷選手の人気は関連するのかもしれません」と分析する。
大谷選手の人気を当て込んで、企業も相次いで大谷選手をPRに起用している。ここ数日だけでも、「ロサンゼルス・エンゼルス 大谷翔平 2022 MLBオールスター記念商品」の「郵便局のネットショップ」限定での販売が始まり、ポルシェジャパンは大谷選手を「ポルシェ ドライビングアスリート」としてブランドパートナー契約の締結を発表している。
コロナ禍でも“大谷効果”は240億円以上
また、大谷選手は、アメリカや日本において高い経済効果を生み出している。経済効果算定の第一人者、関西大学名誉教授の宮本勝浩氏の試算では、大谷選手の経済効果は2021年の1年間だけで約240億1,674万円に上るという。
宮本氏はこの試算を公表するにあたって、「もし、今年が新型コロナの影響の無い普通の年であれば、アメリカ国内の観客の増加や、日本からの応援ツアーのファンの大幅な増加が見込まれたであろうことを考えると、この金額はさらに増加していたと推察できる」と述べている。
昨年は、コロナ禍で入場者の人数制限を行った球団も少なくない。大谷選手が所属するロサンゼルス・エンゼルスも入場制限を行った。しかし、今年はメジャーリーグではどこの球団、どこの球場も入場者の人数制限は行っていない。
さらに、昨年は実施されなかった大谷選手の応援のための「エンゼルス 応援ツアー」などのツアー商品も各社が売り出している。当然、今年の経済効果は昨年より大きくなるだろう。
前出のような企業PRも含めた、今年の大谷選手の経済効果はどれくらいになるだろうか。そして、大谷選手の活躍で、中高生の野球離れに歯止めはかかるか。様々な面で、その活躍ぶりがますます注目を集めそうだ。
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