旧統一教会の矛先が立憲民主党へ、日テレへの“自爆テロ”は不発

『ミヤネ屋』金沢テレビの反論放映
ライター/SAKISIRU編集部
  • 旧統一教会が立憲民主党やメディアに反撃、ここまで“抵抗の成果”は?
  • 立民の脱会支援者ヒアリングに「宗教弾圧」と反論
  • 日テレを標的に、系列局と教団の関係暴露の“自爆テロ”をするが…

連日、メディア批判を繰り返している世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が、その矛先を立憲民主党に向けた。旧統一教会は26日、公式サイトに「立憲民主党に問う―目指すは宗教弾圧か?―」と題する抗議文を公開した。

「信教の自由を侵害し、宗教弾圧をもたらす」

立憲民主党が18日に公式サイトで配信した「脱会支援者からヒアリング 党旧統一教会被害対策本部会合」という記事に対する抗議文だ。記事によれば、会合には、旧統一教会からの脱会を長年支援してきた宮村峻氏や、立憲民主党元参院議員で、80年代から旧統一教会の問題を報じてきたジャーナリストの有田芳生氏が参加している。

旧統一教会脱会ヒアリング(立民公式サイトより)

旧統一教会は、宮村氏を紹介する有田氏の「多くの信者の脱会に多大な力を尽くしているとともに、今メディア等で元信者が発言をしていることも、宮村さんの力が大きく働いている」との発言を問題視。旧統一教会は、宮村氏について「長年に亘り当法人信者に対する強制的脱会説得に関与してきた人物であり、以下に詳述する通り、宮村氏の脱会強要の違法性は既に最高裁判決によって確定しています」としたうえで、立憲民主党の会合を「宗教弾圧だ」と猛批判する。

立憲民主党がこうした人物を「多くの信者の脱会に多大な力を尽くし」た人物として会合に呼び「救済の在り方」等について聞くこと自体、極めて異常であると言わざるを得ません。のみならず、同氏らから「救済の在り方」等について聞いた上で立法措置を準備するという以上、同会合は、違法・違憲な脱会強要手法の法制化を目指すものであり、当法人のみならず他宗教の信者に対してまで信教の自由を侵害し、宗教弾圧をもたらすのではないかとの危惧を強く抱かざるを得ません。

攻撃の焦点は『ミヤネ屋』の日テレ

一方、旧統一教会のメディアへの反撃も続いている。8月21日には、【異常な過熱報道に対する注意喚起】のタイトルの文書を発表。文書では、旧統一教会を巡る報道を「異常ともいえる過熱報道」と表現したうえで、一連の報道は名誉棄損、人権侵害だと指摘した。

これらのメディア報道は、日本国憲法第20条で保障された「信教の自由」を無視した魔女狩り的なバッシング行為であり、当法人および友好団体等に対する著しい名誉棄損であると同時に、当法人の信者ならびに関係者に対する深刻な人権侵害に当たります。

また、8月25日には【異常な過熱報道に対する注意喚起(2)】と題したリリースを配信。今度は報道機関全体ではなく、連日、旧統一教会批判を展開し、世間の評価を上げている『ミヤネ屋』を放送する日本テレビに的を絞って次のように攻撃した。

現在、民放の雄と言われる日本テレビが、同社ネットワークの総力を挙げて毎年取り組んでいる「24時間テレビ」ですが、当法人の女性信徒がボランティアスタッフとして7年間にもわたって関わり、番組ボランティアをまとめる中心的な立場で活躍していたことが分かりました。

東京・汐留の日本テレビ社屋(Japanesescape_Footages /iStock)

リリースには、参加ボランティア団体として「世界基督教統一神霊協会・能登教会」を紹介する2014年の『24時間テレビ』のテロップ画像も添付されている。このテロップ画像は、日本テレビ系列のテレビ金沢(石川県)が当時放送したものを切り取った画像だ。

「うちと政治家との関わりを問題視する報道が続いているが、報道する日本テレビもうちと関わっていた」という、いわば“自爆テロ”のような攻撃だ。

“自爆テロ”不発、視聴率アップ!

この“自爆テロ”、効き目はどうだったのか。結論から言えば、日本テレビにダメージを与えるどころか、貢献している。まず、日本テレビは26日、「弊社の番組に関わるプレスリリースについて」という文書を配信。

『24 時間テレビ』のボランティアスタッフに、旧統一教会の女性信徒が関わっていたとされていることについて、真っ向から反論した。

「24 時間テレビ」では、番組の趣旨に賛同していただける方にボランティアとして参加していただいております。一般的に、参加される方の個人的な思想・信条について確認することはいたしません

確かに、ボランティアスタッフにいちいち、信仰している宗教を聞くことはないだろうし、もし聞いていたとしたら、その方が問題だ。

読売テレビ『ミヤネ屋』番組公式サイト

そして29日に放送された『ミヤネ屋』では、「世界基督教統一神霊協会・能登教会」が表示されたテレビ画像について、テレビ金沢の反論を紹介した。

この画像は、弊社が 2014年7月27日に放送した CMの一部画面を切り取って掲載されたもので、参加ボランティア団体を紹介する画像ではありません。当該 CM は「24時間テレビ」を応援していただく石川県内の企業・団体を募り、15秒CMの中で最大10社の企業・団体名を紹介したものの一つです。2014年7月26日(土)から 7月31 日(木)までの6日間で計10 回放送しており、旧統一教会の団体名が表示されたのは当期間のみです。

女性信徒がボランティアスタッフになっていたことについては、日本テレビ同様、「参加される方の個人的な思想・信条について確認することはいたしません」とした。28日に配信されたデイリー新潮の記事によると、日本テレビ社内には「放っておけ」という空気が流れているという。

さらに、旧統一教会の自爆テロで『24時間テレビ』へ世間の関心が集まったのか、民放テレビ局で最も重要視される視聴率が、昨年より上昇した。今年の『24時間テレビ』の視聴率は、関東地区で個人8.1%、世帯13.8%だった。昨年に比べて個人で1.1ポイント、世帯で1.8ポイント上昇している。関東地区だけではなく、関西、北部九州、札幌といった各主要地区でも『24時間テレビ』の視聴率は軒並み上昇しているのだ。

なお、関東地区の個人8.1%、世帯13.8%という視聴率は、19日に放送された金曜ロードショー『となりのトトロ』とほぼ同率(個人8.7%、世帯13.7%)。昨今のテレビの平均視聴率からすると、十分、高視聴率と言っていい。

起きたことだけを並べて見ると、統一教会の攻撃がはからずも『24時間テレビ』の宣伝になった格好だ。そんな中、今回、旧統一教会は攻撃の矛先を立憲民主党に向けた。『24時間テレビ』の視聴率が上がったのと同様に、立憲民主党の政党支持率も上がるのだろうか?

 

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