「高齢者へのバラマキ」住民税非課税世帯に一律5万円給付にネット大ブーイング

「世代間格差」是正は?イギリスの減税策と対照的
ライター/SAKISIRU編集部
  • 政府が物価高対策で行う、住民税非課税世帯への5万円給付がネットで不評
  • 「なんで全世帯じゃないの?」特に現役世代が怒り心頭な背景
  • 低所得世帯への対策でもっと効果的なのは?折しもイギリスでは…

政府の付け焼刃に見える政策が、またまた“炎上”している。政府は6日、物価高やエネルギー価格の上昇への対策として、所得の低い住民税非課税世帯に対して、一律で5万円を給付する方向で最終調整に入った。読売新聞によると、9日に開催予定の「物価・賃金・生活総合対策本部」で取りまとめる追加対策に盛り込むという。

Gomaabura/Photo AC

現役世代、怒り心頭「なんで全世帯じゃないの?」

このニュースがマスコミ各社によって報じられると、ネット上は現役世代を中心に大炎上している。

いつまでやるのよ、高齢者へのばらまき。子育て世代に配ってあげなよ。

支持率が下がっているから莫大なお金をかけて高齢者への支持率対策ですか?本当にいい加減にして欲しい。

住民税非課税世帯のほとんどが高齢者だから、実質の高齢者へのバラマキだなぁ。もちろん、現役世代の給与天引きで補填されます。泣ける

「なんで全世帯じゃないの?物価高影響してるのは全国民

内閣府の「高齢社会白書」では、「超高齢社会における課題」の一つとして、「世代間格差・世代内格差の存在」を指摘したうえで、次のように記載し、世代間格差をこれ以上拡大しないようにしなければならないとしている。

現行の社会保障制度は、負担を将来世代へ先送りしている点が問題であると指摘されており、世代間格差がこれ以上拡大しないようにするために、現在の高齢者と将来世代がともに納得した、不公平感のない「ヤング・オールド・バランス」の実現が課題となっている。

しかし、住民税非課税世帯への一律現金給付という今回の対策は、かえって、世代間格差による不公平感を煽っているように思える。それは、ネット民が指摘するように、住民税非課税世帯は高齢者層に偏っているからだ。

高齢化で世代間格差は広がるばかり…(craftbeermania /PhotoAC)

非課税世帯の半数以上が高齢者世帯

厚生労働省の「2019年 国民生活基礎調査」によると、住民税非課税世帯は約1200万世帯と推計できる。そのうち、年代別で最も多いのは世帯主の年齢が70代の世帯で、次いで世帯主の年齢が80代の世帯。住民税非課税世帯の半数以上は、世帯主が70代、80代の高齢者世帯と推計できる。

住民税非課税世帯は約1200万世帯のため、各世帯に一律5万円給付する場合、6000億円の予算が必要になる計算だ。そのうちの半額以上が、高齢者世帯に振り向けられることになる。

これでは、「そんなお金があるなら子育て世代にも給付すべき」という意見が出ても仕方がない。ツイッターではこの件に絡めて、「高齢者優遇」というキーワードが頻出しているが、それもうなずける。

消費税減税の方が効果的では?

それに、所得が低い世帯への対策であるならば、たった1回だけ5万円を給付するより、電気代・ガス代や食料品にかかっている消費税を時限的にでも引き下げる方が効率的かつ効果的ではないか。現金を給付するには、煩雑な手続きも必要になり、その手続きを民間企業に委託する予算も必要だ。10万円の特別定額給付金の際にかかった事務費は、約1450億円に上る。消費税減税であれば、この無駄な事務費はかからない。

以前、NHK党浜田聡参院議員が国会質疑で、「補助金を配るのは一つの政策だと思うが、取って配ることが非効率。最初から取ることを止めて減税した方が効率的だ」と述べていたが、もっともな指摘だ。なぜか、政府からは給付政策はよく出てくるが、減税政策は一向に聞こえてこない。よほど、現金給付にうまみでもあるのかと勘繰りたくなる。

NHK党の浜田参院議員(参院ネット中継より)

折しも、イギリスでは大規模な減税政策を掲げたトラス政権が誕生した。首相に就任してから初めての演説で力強く「私には減税と改革を通じて経済を成長させる大胆な政策があります。今週、光熱費の問題に対処し、将来のエネルギー供給を確保するための対策にとりかかります」と言い切った。

岸田首相が巷間言われているように、支持率低下を気にしているならいっそ、「物価高、エネルギー価格上昇への対策として消費税を引き下げる」とぶち上げてみてはどうか。統一教会問題で下げ止まらない支持率も多少は好転するかもしれない。

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