電波官僚とマスコミが悪魔合体!高市早苗は「官報複合体」の罠を突破できるか?
報じられない総務省文書問題「構造的本質」- 放送法の解釈変更巡る文書、高市氏vs.総務省で認識食い違い
- 説明がつかない総務省側の答弁、大臣レクは架空だった説も
- 「高市憎し」のメディアと役所の官報複合体。世論戦の行方は?
安倍政権時代の放送法解釈を巡る総務省の行政文書について、当時の総務相だった高市早苗氏に対する「大臣レク」があったのかが大きな争点になっている。
13日の参院予算委員会では、総務省の小笠原陽一情報流通行政局長が、2015年2月13日のレクについて「行われた可能性が高い」と答弁したが、高市氏は「紙に書かれている内容は自信を持って否定する」と改めて事実関係を否定した。

大臣レクは架空だった?
この問題をややこしくしているのは、文書そのものは総務省の官僚が作成した「本物」であるが、書かれている高市氏らの発言内容に疑義が生じている点にある。高市氏本人は当初から発言内容を一貫して否定。レクを受けたことについてすら、当時の大臣室のメンバーや秘書官も否定している。
高市氏と総務官僚、特に旧郵政省系の電波官僚との関係は元々思わしくなかったことは背景にあった。こうなると、アゴラの池田信夫氏が指摘するように「2月13日の『大臣レク』は架空の疑いが強い」。
8年前とのこととはいえ、文書で関係者の発言が克明に記録されていながら、前出の小笠原氏がレクが行われたことを断定できず、「可能性が高い」と曖昧な答弁にしたのは不自然だ。池田氏の仮説、つまり解釈変更を断行して民放局と電波行政の関係悪化を恐れて、高市氏のレクがあったことにして、解釈変更の言い出しっぺとなった礒崎陽輔首相補佐官(当時)に矛を収めさせるために高市氏の発言を捏造したとの見立ては辻褄が合う。

総務省がこれを否定したければ、司直の手で真相解明をめざすしかない。公文書保管のあり方や是非は一旦脇において、すでに内部文書や機密が「リーク」という形で不当に外部流出しているのは動かしがたい。異論もあろうが、最近訃報を機に話題になった西山事件と同じだ。
総務省はかつての外務省と同じく、本来なら国家公務員法(守秘義務)違反など刑事事案として告訴の対応をするべきだ。しかしどうも腰が引けている。いや、むしろ高市氏をスケープゴートにして、事態を曖昧にしようとしているように見える。あわよくば、旧郵政官僚の思惑通り「意趣返し」で政治的に葬り去ることすら可能だ。旧郵政OBの小西洋之氏にとっても、政権へのダメージを与えられ、利害は一致する。
「悪魔」との世論戦
そして、電波官僚との利害一致は小西氏だけではない。世論形成に大きな影響力を持つ記者クラブメディア、特に放送法の当事者であるテレビ局にも言える。礒崎氏に槍玉に挙げられたTBSだけでなく、日本テレビも「高市大臣「自信をもって否定」も…自民党幹部から“苦しい”の声」といった論調で、高市氏が追い詰められているという図式を前面にしている。
高市氏を巡っては今回の騒動は「えん罪」の可能性が強まっているが、総務相時代の2016年に「政治的公平性を欠く放送を繰り返した場合、電波停止を命じる可能性に言及した」(毎日新聞)として、メディア側から敵視された遺恨がある。
本来であれば、永田町や霞が関に起こりうる陰謀の構造にまで目を向け、党派性を抜きに事実を踏まえ、法的・制度的に本質を見極めるのがメディアの役割だが、事が自分たちのビジネスモデルに関わっていることとあって、空気や流れで不当に論評する危険性が強まっている。
このまま行けば、電波官僚と記者クラブメディアが「悪魔合体」した官報複合体が圧倒的な情報量による物量作戦で「世論戦」をものにし、高市氏の政治生命が絶たれてしまいかねない。
ネットでは高市氏を熱心に支持する右派の人たちや、保守論客が熱心に応援しているが、SNSは着火装置ではあっても、世の中を動かすのはリアルの制度で結果を出してこそだ。Colabo問題も大きく動き始めたのは暇空茜氏が東京都に行った住民監査請求が一部認められたからだった。
ただ、不幸中の幸い、熱心な「高市信者」であれば検察OBの弁護士の協力も得て、一連の文書流出について東京地検特捜部に対し刑事告発をする人がいるはずだ。
私は、高市氏が小西氏の挑発に乗って議員辞職を口走るなど言動の危うさは懸念している。以前から総理候補として全く支持していないが、それとは関係なしに選挙の洗礼を受けていない官僚が、国会議員を「罠」に陥れて政治生命を断とうとする陰謀は民主主義を脅かすものだと考えている。
誰の差し金かはわからないが、万一、電波官僚が官報複合体のレバレッジを使った政治的策謀を張り巡らせ、民主的に信認された政権与党や国会議員を陥れようというなら断固として抗議する。
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