実質賃金13か月連続でマイナスも…「責任は企業に」アトキンソン氏が財政で持論

岸田政権「所得倍増」も空振り続きだが...

実質賃金が13か月連続で減少したことが話題になる中、最低賃金引き上げ論者で知られるデービッド・アトキンソン氏(小西美術工藝社社長)が8日、ツイッターに連続投稿。「実質賃金を上げる責任は企業にある。財政ではない」との見解を示した。

アトキンソン氏(日本政府英語版広報サイトより)

厚生労働省が6日に発表した毎月勤労統計調査では、今年4月の実質賃金は前年同月比で3.0%マイナスとなり、昨年4月から連続での減少となった。岸田首相は21年10月の政権発足に際し、自らの派閥「宏池会」の創始者、池田勇人首相(任期1960年〜1964年)の所得倍増計画を引き合いに「令和版所得倍増計画」をぶち上げたものの、蓋を開けてみれば統計発表時までの1年6か月のほとんどが減少。野党や左派系メディアからは「貧乏神宰相」(日刊ゲンダイ)などと揶揄されている。

アトキンソン氏はこの日のツイートで「実質賃金を上げる責任は企業にある。財政ではない」と指摘。企業の内部留保が過去最高の500兆円規模にまで膨れ上がっているグラフを示した上で、「企業は、大企業も中小企業も利益も内部留保も最高水準。 給料を増やすことはできない事はない」との見方を示した。

さらに経済政策の失敗を批判する積極財政派に対して「賃金を上げないことを前提にして、手取りを増やすには、減税、政府支出を増やすことを主張している」との見方を示した。

賃上げしない企業側の責任を述べた主張には「意味分からんくらいキャッシュため込んでる企業は法人税あげまくるとかすればいいのにな」などの賛同もあったが、「政府が何したって責任ないって言ってるようなもの」と反論する人もいた。

アトキンソン氏は明快な主張をする分、自身と異なる経済政策の考え方を持つ人たちとの議論を巻き起こしている。過去には消費税減税を否定した際にはリフレ派の上念司氏から「もしやってみて消費がもっと増えたら間違い認めますか?」と反論されたこともあった。この日も減税政策について「限界がある。相当貯金に回る可能性も高い」との見方を示していたが、消費税廃止論の人たちから反論を受ける場面もあった。

 

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