まさかの「岸田減税」あるか?田崎史郎氏が“爆弾発言”、木原誠二氏「やりゃいいんだよ」

アドバルーンか?大スクープか?

岸田内閣再改造からまもなく半月。支持率浮揚とはいかなかったものの、下げ止まりの傾向が見られることから、10月中旬の臨時国会で補正予算案が成立した後、岸田首相が年内に衆院解散に打って出るとの見方がくすぶっている。

13日、内閣再改造後に記者会見した時の岸田首相(官邸サイト)

一方、野党各党は24日のNHK日曜討論でガソリン税のトリガー条項発動や消費税率の引き下げなど「減税」を訴えて足並みをそろえた。ネットでは岸田首相が「増税メガネ」のあだ名が付けられるなど、「岸田政権=増税」のイメージは依然として強い。野党側は選挙戦を見据え、政権側の増税イメージを増幅させる思惑が透けて見える。

ところが、ここにきて岸田政権が取りまとめ中の経済対策で「減税」を打ち出すサプライズがあるのではとの憶測が広がっている。火元は政治ジャーナリスト、田崎史郎氏の発言だ。

「田崎さん、それスクープですよ」

田崎史郎氏

田崎氏は23日朝、読売テレビ系「ウェークアップ」に出演。検討中の経済対策について、年収が一定額を超えたパート労働者らに社会保険料負担が発生して手取りが減る「年収の壁」の解消策や、賃上げした中堅企業の法人税を軽減する「賃上げ税制」に加えて、「3番目が一番注目されるが、減税をやろうという(話がある)」と切り出した。

減税は「首相周辺から聞いた話」といい、田崎氏は「やろうとしたら財務省がめちゃ抵抗するはず。やれるかどうか分からないが、やるというのを10月下旬に表明して、その前に旧統一教会の解散命令を出して、減税を打ち出して、解散総選挙という声も聞こえてくる」と述べた。

唐突な話に野村修也キャスターは「田崎さん、それスクープですよ」と仰天。「所得税の減税か」と確認したのに対し、田崎氏は「所得税になると思うが、政府自民党内でこれから検討していく。総理の周辺では(話が)ある」と強調。中谷しのぶアナウンサーが消費減税の可能性も聞くと、田崎氏は「否定はできない」と含みを持たせた。

田崎氏が言う首相周辺が誰なのか不明だが、この放送に先立ち、政権の司令塔だった木原誠二前内閣官房副長官が減税に関して言及したことも注目された経緯がある。

岸田首相と木原氏(8月の訪米時、官邸サイト)

木原氏は19日夜、生田よしかつ氏主宰のインターネット番組「魚屋のおっチャンネル」に副長官退任後初となるメディア出演をし、「岸田政権が増税政権だって言われてる以上 は自分が内閣にいる時はそういうこと言えなかったけど、今離れてると、減税やりゃいいんだよ、やって示すしかない」と述べた。ただ、木原氏が具体的な減税策として挙げたのは、法人税や研究開発投資に関する税制で、田崎氏が述べた所得税には触れなかった。

仮に岸田首相が所得減税や消費増税を打ち出せば、衆院解散に突入した場合、野党側は数少ない争点を失うことになる。また、トリガー条項発動などガソリン減税に踏み出した場合、長らく要求してきた国民民主を連立政権に加えるシナリオが一段と現実味を増す。

減税派からミスリード指摘

しかしX(旧ツイッター)では「選挙前の小手先か」「“やるやる詐欺”にしか見えない」などと冷ややかな見方が支配的だ。減税派の1人は田崎氏のコメントについて「ミスリード」と指摘。「補助金での拡充は以前から言われていることだし、減税については完全に田崎さんの予想でしかない」と喝破した。

木原氏に対しても、経済評論家の上念司氏はXで「木原さん、いいこと言う。 でも、それ内閣にいるうちに言って、尚且つ実現すべきだったと思う」と厳しく指摘した。

今のところ、田崎氏や木原氏の発言をアドバルーン(観測気球)と捉える見方も絶えず、ネット世論の不信感を払拭できたとは到底言えない。ただ、「政権から陥落する危機になるほど何でもやってくる」(野党中堅議員)のも自民の歴史だ。民主党政権時代には児童手当を拡充した「子ども手当」を厳しく批判していたが、政権奪還後も、少子化の進行を背景に新しい児童手当制度を継続したのが典型だった。

果たして減税サプライズはあるのか。それも見掛け倒しではない本格減税になるのか、今週以降の出方が注目される。

 

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