赤石千衣子氏は法制審委員に適格か?“ブライダルまさこ”の道義的責任は?
NPO法人横領で使途不明金の不祥事- ひとり親支援の認定NPO法人で、総額で800万超の使途不明金の不祥事
- 同法人トップは共同親権反対派の赤石氏。法制審委員は続投できるか
- 安倍元首相も問題視、政府との距離近づけた森元法相らの道義的責任は?
ひとり親を支援する認定NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」に総額で800万を超える使途不明金が生じていることが発覚し、物議を醸している。同法人の赤石千衣子理事長らが2日の記者会見で公表した。
ひとり親支援のNPO、使途不明金800万円 会計担当の元職員解雇 https://t.co/CC7bdpUCVy
ひとり親を支援する認定NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」(赤石千衣子理事長)は2日、2019年度からの4年間で計802万7603円の使途不明金が生じていると発表した。
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) November 2, 2023
赤石氏といえば法務省法制審議会 家族法制部会の現職委員であり、共同親権反対派の急先鋒の1人で知られる。以前から赤石氏の言動に反発している、実子連れ去り被害の別居親からはここぞとばかり赤石氏の委員としての適格性を問う声が強まっている。
#赤石千衣子 が法制審委員に相応しくない理由
・1人で反対パブコメ400票
・オーストラリアで共同親権が見直されているという嘘
・800万使途不明金
・単独親権を前提としたシンママビジネス利益相反
・共同親権とDVを結びつける嘘
・実子誘拐されたシンママは無視もっとある気がする https://t.co/kJdVzTdCHT
— Japan's sole custody law took my baby away. (@ChildAbuseJAPAN) November 5, 2023
公的支援もずさんな管理
同法人のリリースや報道によると、使途不明金は2019年度から4年間確認できただけで802万7603円。当時の会計担当者だった女性の関与が濃厚という。法人側は女性をすでに懲戒解雇し、刑事告訴の手続き中だ。
事実関係のさらなる究明と再発防止策に向けて有識者による第三者委員会を設置したが、法人側の管理責任や社会的責任を問う声は強い。事業拡大で人員を増やした昨年5月まで会計は行方不明の女性1人に任せきりだったガバナンス上の欠陥もさることながら、税金や寄付など多額の支援を受けてきたためだ。

同法人が公表している決算報告(2022年度)によると、前年度の助成金は約1億2800万円。その中には厚生労働省の「ひとり親家庭等自立促進基盤事業」や「ひとり親の子どもの食事等支援事業」など公的資金を原資としたものが含まれる。
また、正会員による会費が10万円弱なのに対し、現金による寄付が約2億6000万円、現物寄付も約9000万円計上している。事業収益が約1億2800万円あるものの、東京都のひとり親支援事業など公的機関からの委託が多く、これも元を辿れば税金で運営されている。事実上、役所の「出先機関」とも言えるほどの公的な存在だ。
元会計担当者個人の犯行であったとしても、赤石氏の管理責任が問われるのは仕方あるまい(自主処分として5か月間、減給2分の1を発表)。10月に更新するはずだった認定NPO法人の資格取得も困難になる見通しを認めている。
今のところ法務省法制審委員の職務の去就について、リリースでも記者会見でも言及されていないが、「公職」を務め上げる適格性に疑義が生じている以上、自ら辞任するなり、法務省が解任させるなりしなければ事態は収まらないのではないか。これは赤石氏の共同親権に対するスタンスとは別のそもそもの問題だ。
森まさこ氏との蜜月ぶり
そもそも赤石氏は、左翼系の女性権利運動の団体(ふぇみん婦人民主クラブ)の機関紙編集長を務めるなど、その経歴から本来は政府与党とは縁遠いはずだった。実際20年ほど前は与党とのパイプはなかったようだが、そのロビイング活動を取材した明智カイト氏の著書によれば、2000年代半ばから後半にかけ、まずは公明を足がかりにして政府与党に浸透したようだ。
その後の公開情報や複数の政界関係者によれば、民主党政権崩壊を経て、自民にも人脈を構築。当時の衆院議員で、いま話題の木村弥生氏(現江東区長)や稲田朋美衆院議員、そして森まさこ参院議員に食い込んでいったとされる。
中でも森氏との昵懇ぶりは特に注目されてきた。森氏が法相時代には、赤石氏が共同親権に慎重な対応を求める親たちの署名を届けたり、養育費立て替え制度の要望を申し入れ、その様子を報道陣に公開して盛大にアピールしてきた。

そして安倍政権から菅政権に代わり、森氏は法相を退任。その半年後の21年3月、法務省の法制審が家族法制部会を設置し、離婚と子どもの養育に関する制度の見直しがスタートするところで、赤石氏は委員の座に収まった。
安倍元首相が問題視
当然のことながら赤石氏が近年、政府与党に入り込んできたことは当然、自民党の保守派から警戒されていた。特に安倍晋三元首相が森氏と赤石氏の親密ぶりや赤石氏の委員就任を問題視していたことは筆者も取材して把握している。

もし安倍氏がいまも健在であれば、赤石氏の団体で不祥事が起きたことに対してどのような反応を示しただろうか。少なくとも赤石氏が政府との距離を縮めるきっかけを作った森氏に対し、カミナリの一つや二つは落とし、結果責任を問うたであろうことは想像に難くない。
森氏は派閥こそ安倍派(清和会)所属だが、「弁護士出身とあって典型的なリベラル志向」(安倍派議員)。自民党内でも伝統的に「タカ派」の同派にあって異色の存在だった。先ごろはコロナ禍でのブライダル業界との親密な関係が注目され、ネットで“ブライダルまさこ”とあだ名がつき話題になった。
仮に共同親権反対派の赤石氏が委員を辞めれば、法務省法制審の親権制度見直し論議への影響は避けられまい。今回の事態を受けた法務省の対応、森氏の見解が今後注目される。
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