ノーベル物理学賞受賞の真鍋淑郎氏「アメリカ国籍」がヤフコメで話題

ネット民「日本の頭脳の流出」
真鍋淑郎氏(Bengt Nyman /Wikimedia CC BY 2.0)

スウェーデン王立科学アカデミーは5日、2021年度のノーベル物理学賞を、気象学者の真鍋淑郎・米プリンストン大学上級研究員(90)ら3人に授与することを発表した。真鍋氏は「コンピュータによる気候のシミュレーション・モデルを開発し、それを用いて気候の成り立ちと変動を解明するという新しい研究分野を開拓」(日本学士院サイト)。地球温暖化予測の枠組みを築いた。

真鍋氏は愛媛県出身だが、1958年に東京大学大学院理学系研究科を修了し、理学博士を取得した後、同年に渡米し、アメリカ政府の気象局や海洋大気庁、プリンストン大学などで長年研究活動を行い、1975年にアメリカ国籍を取得している。この日のヤフーニュースのコメント欄(通称:ヤフコメ)は、真鍋氏の受賞を知らせる速報記事が4時間余りで3000件を超えるコメントが書き込まれる反響があったが、ネット民の多くが真鍋氏の国籍に注目。

とても素晴らしいのですが、
こういう素晴らしい研究者が多数海外に移住しているという事は、長年日本が研究者や技術者を軽視している証左であり、ほぼ取り返しのつかないところまで来ています。

アメリカ国籍を取得されてるのは日本の頭脳の流出と言うことではないでしょうか?日本も研究に対するバックアップをする必要があると思うのですが。

アメリカの学者の受賞です。日本から出ていかれたんです。学問を蔑ろに、全く持って政府も投資をしないから、アメリカに行ってしまうのです。

…などなど、日本の研究環境が十分整備されておらず、政府の支援体制が弱いことへの苦言が並んだ。ヤフコメといえば誹謗中傷の書き込みが多いことから社会問題となり、運営側のヤフーニュースは今月1日、攻撃的なコメントを禁止するアラート文が掲示したばかり。この日も真鍋氏に対する誹謗に近い文言が一部で見られたものの、今回は時流を捉えた反応と言えるかもしれない。

先月には、光触媒を発見した化学者の藤嶋昭氏が80歳を前に中国・上海の大学に研究拠点を移すと発表した際に波紋を呼び、科学論文の数で中国がアメリカを抜くなど研究環境が充実し、伸び悩む日本が国際競争に立ち遅れることの問題が議論された。ネット民が文言の使い方などが荒削りでも、問題意識を強く持っている証左でもありそうだ。

 

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