「受験は課金ゲーム」「塾の本気の集金」に耐えうる年収は ⁈ 中学受験のリアル

私立中学進学率と区の平均所得の「不気味」な連動
ファイナンシャルプランナー/キャリアカウンセラー/(株)イー・カンパニー代表
  • 中学受験が題材のテレビドラマ『二月の勝者―絶対合格の教室―』が話題に
  • ドラマで“お金絡み”のセリフ。実際の受験でも塾に「集金」される構造
  • 私立中学進学率が多いエリアは、所得が高い層の区と合致?

こんにちは、ファイナンシャルプランナー/キャリアコンサルタントの八木陽子です。

10月から日本テレビの連続ドラマ『二月の勝者―絶対合格の教室―』(土曜午後10時)が始まりました。俳優の柳楽優弥さんが主演を務め、女優の井上真央さん、NEWSの加藤シゲアキさんらが共演するドラマです。中学受験塾が舞台で、受験に挑む家庭をリアルに描いたストーリーです。私も録画して欠かさず見ているドラマですが、中学受験生の親は感情移入をしすぎて、涙なしには見られないシーンがあります。

このドラマの原作である、高瀬志帆さんの漫画のときから、強烈なセリフが評判になりました。その中に、「父親の経済力、母親の狂気」「受験は課金ゲーム」といった“お金絡み”のセリフが多数あります。

日本テレビ『二月の勝者ー絶対合格の教室ー』番組公式サイトより

気がつけば塾に“集金”される構造

実際、受験にどのぐらいのお金を投じるかは各家庭の方針や通う塾によりますが、中学受験は平均250万円~300万円と言われます。あくまで平均といわれる数字ですから、6年生の後期になって、成績が伸び悩んで、家庭教師や個別指導などに申し込み、平均をオーバーするご家庭も多数見聞きします。最後の1年間だけで約300万円を費やしたといってマネー相談に見えたご夫婦もいらっしゃいました。なぜ、中学受験はこのようにお金をかけてしまうのでしょうか。

その一つが、中学生や高校生になると、もはや親とともに行動することが減り、次第に子供本人の受験になりますが、小学生の場合、親子二人三脚で受験を乗り越えていく「親子受験」と言われる特殊性もあると思います。また、まだ幼い小学生だからこそ、子供の将来にかける親の期待や夢も大きいのではないかと思います。

職業柄コストにシビアな我が家も、受験が差し迫った、この数か月は、娘の中学受験にはかなりの資金投下をしています。

先日、前述の「二月の勝者」のドラマの中で、塾長役に扮する柳楽優弥さんが、
秋はまさに収穫の季節。刈り入れどきです。日曜特訓、志望校別特訓、お正月特訓…。“塾の本気の集金”はこれからです!
と言っていて、思わず、「塾の本気の集金なんて、うまいこというなぁ」と感心しながら見入ってしまいました。

しかし、呑気に感心している場合ではなく、気が付くと、集金される側に組み込まれているのです。

私立中学進学率が多いエリアは所得高め?

「塾代、すごくないですか?」
娘の友達のお母さんに話かけられたことがあります。集金される側に組み込まれたけれども、ヒーヒー言いながら支払っている家庭もあることでしょう。ただ、そんな中、この集金がへっちゃらなご家庭もあるはずです。少なくとも、中学受験率が高いエリアでは、ある程度、塾からの“集金”や“課金”に耐えうるご家庭が多いはずでしょう。

この連載の前回記事で、都内の私立中学進学率を調べてみました。そのとき分かった私立中学進学率が多いエリアは、都内の所得が高い層が住むエリアと合致するのではないかと推測しました。そこで、今回は、都内のエリア別の所得ランキングを出すことにしました。それが下記の表になります。総務省の令和2年度「市町村税課税状況等の調」第11表」掲載の市町村民税の欄より、「課税対象所得÷納税義務者数」にて計算して、ランキングしてみました。

東京都の平均所得ランキング

*総務省の令和2年度「市町村税課税状況等の調」第11表」掲載の市町村民税の欄より、「課税対象所得÷納税義務者数」にて算出(*千円を四捨五入)

ちなみに、細かなことですが、年収=所得でありません。年収から、社会保険料などの所得控除を差し引いた金額が所得になりますから、いわゆる額面年収は、もっと高いことになります。23区がすべて掲載されるところまでひっぱり、39位まで出してみました。

ぱっと見て、「うーむ」と思いませんか?
前回出した私立中学進学率と所得上位の区がやや不気味なほど連動しています
中学受験と収入の相関関係、そして、教育格差の問題が浮かび上がってくるようです。「お金」のことを考えることによって、「社会」の一面が見えてくるようにも思います。

 
ファイナンシャルプランナー/キャリアカウンセラー/(株)イー・カンパニー代表

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