また検討だけ?それとも…。岸田首相、原発再稼働への意欲は本物か?
ネット民「ロシアから化石燃料の輸入止めようぜ」- 岸田首相が「できるだけ可能な原子力発電所は動かしたい」と再稼働に意欲
- 新潟の柏崎刈羽原発の再稼働は困難、安全確認された9基中、稼働は5基
- エネルギー価格は高騰中。自民党議員「総理も決断するはず」と期待を込めるが…
岸田首相は26日夜、出演したテレビ東京系『ワールドビジネスサテライト(WBS)』で、「原発を一基動かすことができれば、世界のLNG市場に年間100万トンを新たに供給する効果がある」と述べたうえで、「できるだけ可能な原子力発電所は動かしていきたい」と、原発再稼働に意欲を示した。
このニュースが報じられると、ツイッターでは原発再稼働に賛成の意見が大半を占めた。
原発再稼働の加速と新型炉へのリプレイスや増設を進めて
さっさと再稼働してロシアからの化石燃料の輸入を止めようぜ
原発を動かし、エネルギーのロシア依存を減らすことは西側諸国の義務のようなもの
エネルギー政策が専門の政策アナリスト、石川和男氏も次のようにツイートした。
「もったいつけないで、さっさと再稼働準備を要請(指示)しとくんな。現行法の枠内でできることは今すぐ、現行法の枠内でできないことは今すぐ法改正して、いずれにしろ、国内の全ての既設原子力発電所をフル活用する制度運用に是正すべし、今すぐ。」
もったいつけないで、さっさと再稼働準備を要請(指示)しとくんな。
現行法の枠内でできることは今すぐ、
現行法の枠内でできないことは今すぐ法改正して、いずれにしろ、国内の全ての既設原子力発電所をフル活用する制度運用に是正すべし、今すぐ。#Yahooニュースhttps://t.co/8pITgEIwuR
— 石川和男(政策アナリスト) (@kazuo_ishikawa) April 27, 2022
規制委・更田委員長「なんで東電なんだろう」
ただ、総電気出力821.2万kW、世界最大規模を誇る東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働は当面、難しいと言わざるを得ない。
柏崎刈羽原発でテロ対策上の重大な不備が相次いだ問題で、原子力規制委員会が27日、中間報告書を示した。報告書では、「核物質防護設備の保守管理が不十分」「管理する立場の人間がトラブル対応を議論する場に参加していなかった」などの問題点があったとしている。また、その原因は「柏崎刈羽原発の固有の問題」とした。
規制委員会の更田豊志委員長は報告書を受けて、「(不祥事が相次ぐのが)なんで東電なんだろう。福島第一原発事故の当事者である東京電力。事故の当事者としてどこよりも緊張感や危機感が強くて自然なのに」と嘆息した。
今年4月から、東京電力の原子力部門全体の責任者である原子力・立地本部長に就任した福田俊彦氏は26日、柏崎刈羽原発で行われた記者会見で次のように抱負を述べていた。
「社会目線をしっかり感じ取り、自分の行動に結びつけることを、発電所員をはじめとする原子力立地本部全体に確実に意識付けしてまいりたい」
しかし、今のままの状況なら、市民の理解も得られないだろうから、柏崎刈羽原発の早期の再稼働は現実的とは言えなそうだ。何より、今の東電の体制のままで大丈夫なのか、地域社会の信頼は低迷し続けている。
柏崎刈羽原発が立地する柏崎市民に話を聞くと、「一連の不祥事で、東電には不信感しかありませんよ。私はもともと、できるなら早めに原発を動かした方がいいと思っていましたが、東電が今のままだったら怖くて仕方ないですよね」(30代女性)と東電の体質に憤っていた。原発再稼働派ですらこのような意見にならざるを得ない現状では、とてもではないが住民の合意は得られないだろう。
安全確認された9基中、稼働は5基
柏崎刈羽原発は仕方ないにしても、安全が確認された原発についてはどうか。政府は福島第一原発の事故後から一貫して、安全が確認された原子力発電所は再稼働するという方針を示している。その方針は、岸田政権でも変わらない。
現在、原子力規制委員会が設けた基準に合格し、再稼働した原発は、川内原発(2基)、玄海原発(2基)、伊方原発(1基)、大飯原発(2基)、高浜原発(2基)の計9基だ。しかしそのうち、今年4月時点で実際に稼働しているのは、大飯原発(1基)、高浜原発(1基)、玄海原発(1基)、伊方原発(1基)の5基に過ぎない。
岸田首相は、安全が確認されたにも関わらず実際に稼働していない原発をいつ再稼働させるつもりなのか。足元では原油高による物資の高騰、エネルギー価格の高騰が国民を苦しめている。4月22日に発表された消費者物価指数によれば、今年3月の電気料金は昨年同月比で21.6%も上昇している。
ある経産省OBの自民党議員はサキシルの取材に対し、「ウクライナ紛争でエネルギー価格高騰が煽られ、3月の電力危機があってからは、経産省内の空気は間違いなく変わった」と指摘。「規制委側も表向きは慎重な物言いをしているが、前よりは柔軟に対応する姿勢が出ている。総理も決断するはずだ」と期待を込めるが、一刻も早い対策が必要な中、結局は、いつものように検討だけで終わらなければいいが……。
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