「国家戦略なくして情報機関なし」…経済安保実現に必要なインテリジェンス機能とは

【特集】江崎道朗氏『インテリジェンスで読み解く経済安全保障』#2
ライター・編集者
  • 江崎道朗さんが日本の経済安保戦略を語るインタビュー第2弾
  • 国家安全保障の戦略上、インテリジェンス機関はなぜ必要か。安倍政権時代の変化
  • 「アメリカの情報をも精査し、自分で判断する能力」の必要性

【編集部より】公開情報をもとに、近現代史の知られざる側面に光を当ててきた評論家、江崎道朗さんが語る経済安全保障のリアルとは?第2回は、これぞ「江崎イズム」というべき、インテリジェンス視点の提言。経済安保を推進する上でなぜインテリジェンス機能を強化する必要があるのでしょうか?

江崎道朗(えざき・みちお)1962年生まれ。評論家、情報史学研究家。九州大学文学部哲学科を卒業後、月刊誌編集長、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、外交・安全保障の政策提案に取り組む。2016年より評論活動を開始。2020年、倉山満らとともに「救国シンクタンク」を設立、理事に就任。主著に『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』(PHP研究所)、『日本は誰と戦ったのか』(ワニブックス)、『日本人が知らない近現代史の虚妄』(SBクリエイティブ)などがある。

インテリジェンス機関はなぜ必要か

――インテリジェンス機関、というと多くの人が思い浮かべるのはイギリスのMI6やアメリカのCIA。映画の世界でしか見たことがないので、スパイや非合法活動といった非常に特別なことをやっているイメージです。

【江崎】あるいは出処不明、裏付けの取れない不確かな情報を「インテリジェンス」と称して流布する人も少なくありません。そのせいで、「インテリジェンス」というものがひどく誤解されている状況があります。CIAだって実際には、地道に公刊情報を収集・分析し、他の情報と照らし合わせて、生の情報である「インフォメーション」を、政策決定等に使える状態に加工された「インテリジェンス」にする作業をしている。それがインテリジェンス機関の基本的な任務なんです。

インテリジェンス機関については、これまでにも再三にわたって多くの人が「必要だ」と言ってきました。しかし、ではなぜそういう機関が必要になるのか、まで立ち返って考える必要があります。やみくもに情報を集めても意味がありません。

2013年に起きていた「大きな変化」

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