新経連イベントでAI議論、西村経産相「ホワイトカラーの働き方がもう圧倒的に変わる」

自民・平氏「規制一辺倒にならない」

開会の挨拶をする三木谷代表理事(編集部撮影)

新経済連盟(代表理事:三木谷浩史楽天会長兼社長)が3日、東京・虎ノ門で年1度のイベント「JX LIVE!」を開催。西村経産相ら政権与党のメンバーも登壇し、政官民それぞれの立場からイノベーション振興に必要な政策のあり方について忌憚のない議論を交わした。

昨年までは日本社会のDXが主なトピックだったが、藤田晋副代表理事(サイバーエージェント社長)が西村氏らに対し「DXとAIは特別扱いすべき」と強調するなど、ChatGPTに代表される世界的な生成AIトレンドを意識した発言が目立った。

AIの社会実装を強く訴える藤田氏(編集部撮影)

サイバーエージェントは自社でAI投資を積極的に進め、5月には日本語LLM(大規模言語モデル)開発を発表した当事者でもある。藤田氏は「生成AIがトレンドだが、社会実装を進めていけば日本全体の生産性が上がることは間違いない」と断言。同社の祖業でもある広告事業は残業がつきものの典型的な労働集約型だが、「レポートや編集をAI化して7000時間削減した」などの成果を挙げたといい、国に後押しを求めた。

イノベーション政策の動向を話す西村経産相(編集部撮影)

西村経産相は「(自国中心の)保護主義的な産業政策は終わった。AIや宇宙はものすごい投資が要る。同志国で連携しながらやっていく新しい産業政策のフェーズだ」と述べた上で、AIについては「ホワイトカラーの働き方がもう圧倒的に変わることは間違いない」と共感。中小企業も3分の1以上、活用に意欲を示しているデータを挙げたり、自身の国会答弁作成についてもチェックの必要はあるとした上で「あっという間に作ってくれる。ぜひ活用したい」と意欲的な姿勢を見せた。

その上で、西村氏は「(AI開発は)いろんな企業がスタートアップを含めてやっているが、計算基盤のところは少し政府が大きな声を出してやらないといけない」と述べ、計算基盤の充実へ半導体生産が重要となる認識を示した。さらに「日本は製造業の現場が強いのでロボティクスのデータはものすごくある」など言語モデル以外にもさまざまなデータを駆使した日本企業の取り組みへの期待や、支援したい意向を示した。

松川氏(編集部撮影)

また、自民党女性局長の松川るい参院議員は人材育成の問題を取り上げ、「今のイノベーションの人材は自分で課題を見つけ、その課題を解決するような能力、もうちょっと言うと、AIを使いこなすような能力、と言われる」と指摘。「次の時代にふさわしい子どもたちを育てていくような教育をもうちょっと意識的にやる必要がある」との課題意識を示し、幼児教育の重要性から3歳からの義務教育を行うことや理数系で突出した才能の児童・生徒を「どんどん上の学年にあげる」飛び級の活用などを提言していた。

この日のセッションは3部構成。藤田氏、西村氏らが登壇した第1部に続き、データテクノロジーを主題に取り上げた第2部では、IT政策に詳しい自民党の平将明衆院議員が登壇した。

AI規制の展望を語る平氏(編集部撮影)

AI政策の動向について平氏は「ヨーロッパもアメリカも規制強化になりそうだが、イシュー(問題)を認識した上で使い倒すというのが日本の基本的な立場」との認識を示した。その上で、岸田首相とオープンAIのアルトマンCEOとの会談や、広島サミットで決まった「AI広島プロセス」などの流れが続いたことを挙げながら「日本が事務局になって進めることになっているので、規制一辺倒にもならないし、アメリカに全部作られることにもならないと思う」と自信を示した。

AIや外国人材の問題などの論考は、後日関連記事を掲載します。

 

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