プリゴジン氏死亡?自家用機の謎の墜落に「中国の林彪事件を想起」の声

【追記】米当局、暗殺との見方

今年6月にロシアで武装蜂起し、モスクワ突入を目前に撤退した民間軍事会社ワグネル創設者のエフゲニー・プリゴジン氏が搭乗者リストに入っていたプライベートジェット機が23日(日本時間24日未明)、ロシア国内を飛行中に墜落した。英BBCがロシア当局の発表として伝え、世界中でプリゴジン氏の安否に注目が集まっている。

プリゴジン氏(提供:Wagner Group/ZUMA Press/アフロ)

同機はモスクワ発で、サンクトペテルブルクに向かう途中だった。BBCによると、モスクワ北部のトベリ州で墜落。SNSでは炎上しながら墜落する様子を映した地元住民の動画も出回っている。搭乗者リストにはプリゴジン氏と同姓同名の人物を含めて10人が掲載されていたという。

ワグネル側はSNSテレグラムでプリゴジン氏の死亡を主張し、反発を強めている。BBCの取材に応じたMI6の元ロシア分析官は、墜落事故がプーチン大統領の承認を得て引き起こされた可能性を指摘した。ただ、別のアナリストは、プリゴジン氏がその動向をカモフラージュするため、複数の別人が同氏名義で搭乗したことがあったとも言及しており、プリゴジン氏の安否が判明するまで時間を要しそうだ。(※追記あり)

朝日新聞記者時代に中国特派員を経験したジャーナリストの峯村健司氏はX(旧ツイッター)で「中国の林彪事件を想起します」とコメントした。

林彪事件とは1971年、当時の中国の最高権力者だった毛沢東主席と対立した林彪副主席が毛沢東暗殺のクーデターを画策するも事前に発覚して失敗、側近らと共にソ連への亡命を図るも、乗っていた小型機が謎の墜落をした一連の経緯を指す。この墜落で林彪を含む9人全員が死亡した。

【追記①24日21:00】日本時間24日午後になり、プリゴジン氏が死亡したとの見方が強まっている。

【追記②25日9:00】プーチン大統領は24日、「家族に哀悼の意を表したい」と発言。プリゴジン氏が死亡したとの認識を示した。一方、ブルームバーグは複数の米当局者の話として、今回の墜落はプーチン氏の承認のもとに暗殺されたとの見方を示し、情報源の1人が、撃墜はミサイルではなく機内にあった爆弾で破壊された可能性を指摘したと報じている。

(関連記事)急展開のロシア「プリゴジンの乱」「ワグネルの反乱」とは何だったのか

 
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