木村区長、柿沢氏ダブル辞職、東京・江東区“三国志”崩壊の大カオス

“新勢力”現るか
報道アナリスト/株式会社ソーシャルラボ代表取締役
  • 東京都江東区の政治的混乱の背景に長年の世襲一族争い
  • 「木村家」「柿沢家」「山崎家」による三つ巴の争い
  • 春の区長選前の異変と新区長の早期失脚、“新勢力”現るか

東京都江東区を舞台にした政治の混乱が極限に達している。今年4月の区長選で初当選したばかりの木村弥生氏が10月26日、公選法違反の責任を取り辞職する意向を表明。さらに10月31日には、違反となった有料ネット動画広告を木村氏陣営に勧めた責任を取るとして、地元選出の柿沢未途衆院議員が法務副大臣を辞任した。

木村氏の初登庁を拍手で出迎える柿沢氏(木村氏YouTube、一部加工しています)

江東区の政治は30年来、元衆院議員父娘の「木村家」、元外相の亡父と衆院議員長男の「柿沢家」、そして前区長・前都議父子の「山崎家」による三つ巴の争いが繰り広げられてきた。かつて群馬県で宰相を輩出した福田家、中曽根家、小渕家を彷彿とさせる3者鼎立(ていりつ)の様子を、筆者は中国古代の「三国志」に例えたことをご記憶の読者もいるだろう(関連記事)。

「三国志」に当てはめると、区長、都議ポストを抑え強力な地盤を擁する山崎家が「魏」、“お家再興”を目指す木村家を漢王朝復興を期した「蜀」、そして与野党を相手にしぶとく孤塁を守り続けてきた柿沢家は、独立路線を堅持した「呉」という形に見立てた。

そして区長選はまさに蜀と呉が同盟して強大な魏を打ち破った「赤壁の戦い」と化したわけだが、では蜀と呉が思わぬ自滅となり、次期区長選(12月3日告示、同10日投開票)で、魏が覇権を取り戻すことになるかといえば、そう簡単な情勢ではないようだ。

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