「針の穴にラクダを通す議論に」自民・下村氏が共同親権制度案を語る

第23回ウェビナーダイジェスト

自民党の下村博文衆院議員が10月24日、SAKISIRUのウェビナーに出演。共同親権問題について自身の考えや今後の展望を語った。

ウェビナーで共同親権問題を語る下村氏

日本は現在、OECD諸国で単独親権制度を維持する数少ない国の一つだが、子どもをパートナーに連れ去られた別居親などから、欧米諸国と同じ離婚後の共同親権導入を求める声が増加。さらに国際結婚の増加を背景に、各国政府が日本に対し、連れ去り問題への善処の要請が相次いでいる。

下村氏は自民党内でも早くから共同親権導入に理解を示してきた1人だ。9月には地元の東京・板橋で共同親権導入を訴える団体の街頭活動に参加し、テレビ朝日系のAbemaTVの報道番組でも共同親権を取り上げた際にもゲスト出演するなど、現行の親権制度見直しを訴えてきた。

今から20年ほど前、親しかった知人男性が離婚後に連れ去り被害の当事者としてトラブルに巻き込まれたことが、この問題を知る契機だったという。

「(今の単独親権制度で)連れ去られた子どもを連れ戻すと逮捕されてしまうのは日本だけだ。2020年の調査によれば、離婚によって親と離れ離れになった子供が19万人。そのうち片親に会えなくなった子どもが14万人もいる」と指摘した上で、

夫婦は別れたら赤の他人だが、子どもにとってはずっとお父さんであり、お母さんなのだから、面会交流、養育も含めてすることが子どもにとってのウェルビーイング、幸福につながる」と強調した。

質問する新田編集長

法務省は法制審議会での議論を踏まえ、新しい制度案のたたき台を出しているが、親権とは別の監護者指定という制度案が盛り込まれ、自民党の共同親権の推進派の中には「骨抜き」を懸念して難色を示す議員もいる。

政調会長として議論百出の政策調整を経験してきた下村氏はどう見るか。

政府が出してきた法案によっては(今回の監護権のように)いろんな問題が出てきた場合に、100%与党が認めているわけではない共同親権をどこまで貫き通せるのか」と強調。「針の穴にラクダを通す感覚でこれから慎重に議論していく」と話していた。

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SAKISIRUのウェビナーは毎月2回開催。サブスク会員やご招待したメンバーに限定し、政治家や経営者、論客などゲストの皆さんがオフレコも交えて楽しく時事問題を論じています。参加者した方からのご質問もできる限りお受けしています。

当日ご参加できなかったメンバーは後日、YouTubeで限定公開のアーカイブをご覧いただけます(リンクはこちら)。

 

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