東京・青梅市長選でも自民まさかの完敗、その戦犯は?次の大きな山場は?

立川、所沢に続く政変、地殻変動は本物か?
報道アナリスト/株式会社ソーシャルラボ代表取締役
  • 東京・青梅市長選で自民・公明推薦の現職が敗北する波乱
  • 立川、所沢市長選から続く首都圏の自民連敗。その背景は?
  • 次の大きな山場となる都知事選、衆院選の“前哨戦”は?

東京都青梅市長選は12日に投開票され、自民・公明推薦の現職が、国民民主・都民ファーストの会推薦の新人に敗れる波乱があった。

自民は9月の立川市長選、10月の埼玉・所沢市長選に続き、野党系の候補に相次いで敗れていたが、都内でも地方色が強く、保守地盤の青梅市は長らく自民系の市政が続いてきただけに、今回の敗北は、自民都連だけでなく党本部にも与えた衝撃は計り知れまい。

20年前には考えられない異常事態

筆者自身は読売新聞記者時代の2002〜05年、八王子に勤務し、青梅市長選も応援取材したこともある。当時は元市長で、海部内閣で防衛庁長官を務めた石川要三氏の代議士生活晩年で、のちに環境相となる元国交省官僚の井上信治氏に世代交代する時期を見届けた。

首都であることを忘れさせるほど自然が豊かでのどかな地勢が物語るように、典型的な保守地盤。大臣経験者の石川氏の存在もあって、自民が圧倒的な存在感を示した時代を記憶している。青梅の市長選も都議選も自民系と野党系の一騎打ちの構図が多く、自民系が勝利するのが当たり前だった。

秋の紅葉が名物の青梅・御嶽(RERE0204
L /PhotoAC)

しかも今回の投票率は前回より3ポイント上がったものの、39.56%と高くはない。通例であれば、自公の組織選挙がものいう構図なのに、3期目を目指した現職の浜中啓一氏は約17,000票余りにとどまった。

一方、新人の元市議、大勢待利明氏は約26,000票を集め、得票差にして9000票近く、得票率にして20%も開いた。多摩の地を離れて20年近く経ち政情の変化があったとはいえ、自民系の現職市長がこれほどの惨敗を喫するのは異常事態で驚きを禁じ得ない。

なぜこんな結果になってしまったのか。残念ながら現地取材ができていないので定性的な話はしづらいが、定量面(過去の選挙結果)で見ていくと興味深いデータある。

どの票が野党系に流出したのか

この記事は会員限定です。ぜひご登録いただき、続きをお読みください。サブスクなら読み放題です。政治家、論客をお招きするウェビナーもご参加いただけます。

 
報道アナリスト/株式会社ソーシャルラボ代表取締役

関連記事

編集部おすすめ

ランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

人気コメント記事ランキング

  • 週間
  • 月間

過去の記事