リモートワークで注目のコロナ移住 生活費は安くなる?

『東京を捨てる』著者語る #2
2021年05月19日 06:00
ライター/SAKISIRU編集部
  • 『東京を捨てる』著者に、淡路島に移住してからの生活コストの変化を尋ねる
  • 住居費は安いが、車両費や光熱費はかかる。外食や飲みに行く機会は減りがち
  • 物件数は限定的で、地元住民からの紹介も。建て替えが困難かも事前に要調査

リモートワークも背景に進む、大都市から郊外・地方への移住。『東京を捨てる  コロナ移住のリアル』(中公新書ラクレ)の著者で、自らも東京から兵庫・淡路島に移住したジャーナリストの澤田晃宏氏に、「コロナ移住」の実態を引き続き聞く。第2回は気になる「お金」の話から。(3回連載)

#1 東京の暮らしはもう限界!コロナ移住の候補地は?はこちら

淡路島 MasaoTaira / iStock
MasaoTaira / iStock

家は安い。意外な出費とは

――田舎の暮らしは安くなる?

住居費は確かに安い。私が嫁と二人で住んでいる淡路島の木造2階建の一軒家は、120平米はありますが、家賃は4万円代。広すぎて持て余すほどです。ただ、田舎はクルマが不可欠なのですが、車両費がバカにならない。ガソリン代だけでなく。自動車保険や車検、駐車場代、さらに自動車税がかかります。私の場合は軽自動車と軽トラを使っていますが、それでも諸費用を合算して考えると、月々3万4000円ほどの車両費がかかっています。

――出費はほかにもある?

筆者撮影

光熱費も、都市部より高くなるケースが珍しくない。意外と知られていないことですが、都市ガスが通っているのは日本の国土の6%に過ぎず、多くの地域ではプロパンガスを使っている。

ガス導管の設置には多大なコストがかかるので、その費用を回収できる都市部でしか都市ガスは提供されていないんです。

日本生活協同組合連合会の「電気・ガス料金調査」(2019)によれば、都市ガスの1㎥当たりの料金は170円。一方のプロパンガスは、都市ガスの約1.8倍の313円。地方への移住者の多くが、ガス代が高くなったと口をそろえています。

――水道代は?

水資源の豊富な静岡県(407円)や山梨県(535円)などは、全国平均に比べ、割安。兵庫県赤穂市は水道料金が日本一安いと言われています。ただ、同じ県内でも地域差が大きく、赤穂市の基本料金が880円なのに対し、淡路島は1300円にもなります。

東京時代と費用の違い

――食費はどう?

農業や漁業の仕事をしている人も多いので、野菜や魚を隣近所でもらったり交換したりすることもある。魚は自分で釣ることもできる。そういう目に見えない収入はあります。お米も「縁故米」という、農家さんから直接譲ってもらうお米を買うこともあります。私の場合は30キロ7000円程度で買っているので、相当格安。スーパーの半値以下でしょう。

――東京の時より出費は減った?

東京にいたころは仕事柄、週に3回は誰かと飲みに行って、そのたびに3000円とか5000円ぐらいは使っていました。今は飲み歩くことがないし、外食もめっきり減りました。田舎だからといって生活コストが劇的に安くなるわけではないですが、都市部の暮らしよりお金を使う必要は減るでしょうね。

澤田晃宏氏(右端)の自宅近くには、友人が経営するお好み焼き屋も

――移住で気を付けることは?

最初は家探しが大変です。そもそも物件が数多く出回っているわけではないので、都市部のように選択肢は多くありません。私の住んでいる家も、不動産屋には出ていなかったんですが、地元の人と仲良くなるうちに、貸してもらえるじゃないかと教えてもらったものです。

――田舎ならではの問題は?

田舎は私道と公道が入り乱れていたり、区画整理が厳密でなかったりして、建て替えができない物件も少なくありません。リノベーションして住み続けるしかない場合もあります。現在の建築基準法の施行は1950年、都市計画法の施行は1968年です。それ以前に建てられた建物は接道義務を果たしていなかったり、現在は原則として建物の建築が認められていない場所に建てられたりすることもあり、法的に建て替えが不可能な場合もあります。建て替えやリフォームが可能なのか、どのぐらいの金額でできるのかなど、事前によく調べておく必要があります。

(『#3 移住先でユーチューバー!? 「仕事探し」はどうする?注目の制度』に続く。あす掲載します)

 

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