給与明細を捨てていた私を「180度」変えた思考とは
FPとキャリアのプロ、筆者の「転機」- FP/キャリアコンサルタントの筆者が人生とお金をテーマに連載開始
- キャリアの8割は偶発から。行動を起こしてチャンスを切り開く重要性
- 「長期の視点」は人間だけの思考。持つことの意義、自身の体験談
週明け10日、コロナ禍で経営不振に苦しむ全日空が従業員ボーナスを100%カットする方針が判明した。飲食業界も緊急事態宣言の延長で出口の見えないトンネルが続く。一方でコロナ危機を逆手に取るように、起業や転職など新たな道に挑戦する人たちもいる。
先の見えない時代、どう前向きな気持ちでキャリアやマネープランを心がければいいのか。自らも出版社勤務を経て独立。親子向けのマネー教育などで活躍する八木陽子さんの連載スタートです。

人生を切り開くためには長期ビジョンを!
はじめまして、ファイナンシャルプランナー(FP)/キャリアコンサルタントの八木陽子です。
これから、しばらく「人生とお金」という内容で書いていきたいと思っていますが、第1回目の今回は、私自身が今の職業についた経緯を紹介しつつ、「キャリアやライフプランとは」をご紹介します。
私が、お金というテーマと出会ったのは、20年ほど前の、偶然の出来事でした。
夫の転勤に伴って、東京の出版社を退職し、九州の福岡に引っ越してしばらくしたときのことです。
別の出版社にいた編集者の知人から、「調べて書く仕事なら東京にいなくてもできるよね。お金の記事を書いて」と言われました。
当時の私にお金の記事を頼むとは、今思うと、大胆な編集者もいたものです。
転機を呼ぶ「クルンボルツの理論」
私自身が編集者として勤務したいたころに担当していたのは、美容や女性のライフスタイル。プライベートのお金の管理は大雑把で、「給与明細もレシートもすべてゴミ箱に捨てちゃってますが、何か?」というタイプでした。
しかも、そのわりには、「私はこんなに働いているのに、お給料が安いです」と堂々と上司に言ってしまう、何も分かってないのに、超生意気な会社員でした。当時に戻ることができるなら、きちんとお金の管理をし、お給料に感謝をするよう、自分で自分を叱りつけたいほどです。
そんな私でしたが、お金の記事の執筆を、「チャンス!」と思い、二つ返事で引き受けました。
後に、キャリアの勉強をしたときに、「クルンボルツの理論」を知りました。キャリアの8割は当初予想していなかった偶発的なことで決定されると言われています。人生には、予想不可能のことが多く、出会う人々や出来事から、影響を受け続けます。
長い人生では、結果が分からなくても、行動を起こして新しいチャンスを切り開くこと。偶然の出来事を最大限に活用することが、重要なのです。
ただ当時私はキャリア理論を知って行動したわけではなく、友達も仕事もない環境で、暇だからやってみるか、という程度でした。でも、そんなきっかけの行動でもよいのではと思います。やらないで後悔するよりは、やってみる。小さなキャリアの失敗なら、きっと引き返せます。
クルンボルツさんも、偶然を引き寄せるためには、「好奇心」「楽観性」「冒険心」などが必要と言うのはそのあたりが理由ではないかと思います。

「長期視点」人間だけが持てる思考!
お金について伝える仕事をスタートした私が、さらにFPになる一大決心をしたのが、ライフプランや長期の視点の大切さを知ったことでした。
「人生が長く、計画どおりにいかないことだらけなのに、なぜ、わざわざ人生設計(ライフプラン)を立てることが必要なの?」と、FPになってからも度々聞かれる質問です。
それは一つに、「長期の視点」や「俯瞰する力」を手にすることができるからだと思います。
そもそも動物というものは、目の前のことしか考えられません。5年後や10年後の年老いた自分を考えている犬や猫が、いったいどこにいるでしょうか。
人間も動物ですから、「早くこの仕事片づけなくちゃ」「今日の昼は何食べようかな?」だけを考えるほうが、ずっと楽だし自然です。「10年後のキャリアを考えて、今日の仕事をやろう」「20年後に困らないように少しずつ投資をしよう」というのは、人間だけが行える、かなり高度な思考です。そのため、長期の視点は、日々の生活の中では後回しにされがちです。
とはいえ、少し冷静に考えてみると、社会で活躍している人や成功していると言われている人は、1年や数か月で結果が出たのでしょうか。「ただがんばります」と言って行うのと、長期的なビジョンで行うのとでは、差がでるのではないでしょうか。
私自身はどう様変わりしたか
私自身は、20年ほど前に、自分のライフプランを立て、長期の視点で物事を考えることによって、物事のとらえ方がまるで180度変わりました。
それまでは、「友達がいない土地でつまらない」「面白かった会社をやめてつまらない」と暗くいじけていたところがあったのですが、自分のライフプランをざっくり立てるときに、当然のことながら10年後はどんな生活しているかな?と考えて、急に視界が大きく広がったのです。
「ん?10年後はさすがに何か働くなり仕事しているだろう」「九州でも友達ぐらいできているだろう」…あれこれ考えていくうちに、今の悩みって、悩むほどでもないと考えました。別の視点で考えられるようになると、一歩踏み出す勇気が出ました。
長期的な視点の有効性は、キャリアを考えるときのみならず、お金の世界でも同じです。毎日や毎月では差がつかないことが、長期になると大きな差になってきます。
次回以降は、さらに「長期の視点」について、女性のキャリアや投資についても、お伝えしていきたいと思います。
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