日本郵政グループ「格差是正案」にネット炎上、識者「やがてはすべてが非正規になる」

正社員に合わせるのではなく「え‼そっち?」
ライター/SAKISIRU編集部

日本郵政グループが正社員と非正社員の間の労働格差を解消する案を労働組合側に提出したと報じられたことが波紋を広げている。朝日新聞が6日、スクープとして報じた。日本郵政グループの正社員と非正規社員の労働条件に関しては、2020年の最高裁判決で「正社員と非正社員の間には不合理な待遇差があり、労働契約法20条に違反する」と認定されている。

oasis2me /iStock

今回の日本郵政グループの労組側への提案は、この判決結果を受けてのものだ。しかし、問題はその中身にある。日本郵政グループが現在提案している「格差是正案」は、正社員と非正社員との間にある待遇差を正社員に合わせるのではなく、非正社員に合わせることで解消していくというものなのだ。

たとえば、正社員で夏と冬に3日ずつ与えられている夏冬の有給休暇。現行では期間雇用社員はゼロだが、期間雇用社員に夏冬の1日ずつ与える一方、正社員は夏冬2日ずつに減らす計画だ。

こうした日本郵政グループの「格差是正案」は、ネット上で波紋を呼んでいる。ツイッターでは、次のような意見が散見された。

え‼そっち?

労働組合がストして配達やめちゃえ

やるなら非正規の休暇を正社員なみにふやす、だろうに

潰し合い、足の引っ張り合いじゃ誰の利益にもならない

日本郵政ってとんでもないブラック企業だったんすね……

共産党の宮本徹衆院議員はツイッターで次のようにコメント。

日本郵政がまたも。正社員と非正規の不合理な待遇差をただそうと、裁判で勇気ある非正規のみなさんがたたかったのは、非正規の待遇改善のためです。正社員の待遇引き下げ提案、とんでもない。

宮本議員が指摘するように、実は、日本郵政には同じようなパターンで「格差是正」を実行した過去がある。2018年、日本郵政グループ労働組合からの同一労働同一賃金の要望を受け、それまで正社員にだけ認めていた住居手当を撤廃した。

同一労働同一賃金は、当時の安倍政権の肝いり政策「働き方改革」に柱の一つとして盛り込まれたもの。もちろん、非正社員の待遇を正社員なみに引き上げることを想定している。政府の狙いと真逆のことを、発行済み株式の60.6%を財務大臣が保有する日本郵政グループがすでに行っており、今後さらに推し進めようとしていることを政府はどう思っているのか。「私企業の経営のことには立ち入らない」とでも言うのだろうか。それとも、企業がこうした動きに出ることは折り込み済みなのだろうか。

なお、日本郵政グループの「同一賃金同一労働」訴訟では、住居手当や扶養手当の格差も違法だと認定されている。「結婚滅亡」、「ソロエコノミーの襲来」などの著書があるコラムニストの荒川和久さんはツイッターで、次のように警鐘を鳴らしている。

こうやって待遇も給料も低い方合わせになっていき、やがてすべてが非正規になる。

 

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