橋下氏vs.駒崎氏、「共同親権」巡りツイッターで大論争

「何が何でも単独親権はありえへん」vs.「面会交流で妻が殺されてる」

共同親権の導入の是非をめぐり、推進論者で元大阪市長の橋下徹氏と、反対論者の社会起業家、駒崎弘樹氏が7日からツイッターで大論争を繰り広げている。

日本の民法は先進国でも珍しくなった単独親権制度を敷いているが、片親が一方的に子どもを連れ去る事案が相次いだことから近年、共同親権の導入も含めて親権制度の見直しを求める声が浮上。法務省の法制審議会の家族部会で昨年から審議が続けられている。

今回の論争の発端は毎日新聞の記事。法制審議会が検討材料にする内閣府の調査で、夫婦が離婚した場合でも子どもの養育に関わるべきかを尋ねた質問に対し、全体の5割が「どのような場合でも望ましい」「望ましい場合が多い」と積極的に肯定する回答をした、と報じた。

橋下氏は以前から親権制度の見直し論者として知られるが、毎日の記事を引用しながら「原則共同親権、例外単独親権の制度を早急に整えるべき」と改めて持論を主張。さらに「夫DV案件等の例外案件をもって単独親権を原則化することは離婚案件の「全体」が見えていない」と述べ、反対派をけん制した。

これに反対派の急先鋒として知られる駒崎氏が「橋下氏は記事タイトルだけで、元データを全く読んでいない。多くの方が、DVや虐待、子どもの意思に反する、高葛藤の場合には共同養育をするべきでないと考えており、原則共同親権を求める声というのは、極めて少数派」と猛反論。さらに「だから維新はダメなんです」などと、橋下氏が政治家時代に創設した政党を口撃した。

これで橋下氏にスイッチが入ったようで、「司法統計をきちんと確認せなあかんな」とデータのリンク先を引っ張った上で、「DVや虐待、子どもの意思に反する高葛藤の事例は、離婚案件の一部。自分の目の前の事例が全てと思ったらあかん。自分の間違いを認めることができず、自分の考えとは異なる相手をひたすらに全否定し続けるのはもっとあかん」と駒崎氏をたしなめた。

さらに自己リプライを連投して「自分だけが一番賢いと信じ込むのもあかんで。元データくらい読まな、俺の今の仕事なんてでけへん。今回の調査と司法統計を見れば原則共同親権・例外単独親権が合理的。少なくとも共同・単独選択制。何が何でも単独親権はありえへんな。そこは認めないと建設的な政策議論にはならへん」と釘を刺すと、「夫DV事案、子供の父親拒否事案のときは妻の単独親権にすることは合理的」と単独親権制度の意義は認めた上で、「ただし制度設計する場合はこのような事案が離婚事案全体のうちどれくらいを占めているのかがポイント。その割合は?貴殿は自分の目の前の夫DV事案、子供の高葛藤事案が離婚の全てだと錯覚してしまった。視野が狭かったということ」と、重ねて指摘した。

これに対し駒崎氏は橋下氏につられたのか急に関西弁口調で反論を継続。「今の単独親権でも、離婚後に面会交流できている事例なんて腐るほどあるで。 共同親権で無理やり会わないと会えんケースっていうのは、危険なケースが混ざっていて、海外でも日本でも面会交流で妻が殺されてるんやで」と持論を続けた上で、「人の命を大切にせんから、維新はダメなんちゃうか?弱い立場の人らに耳傾けてや」と、改めて維新を非難した。

しかし、橋下氏は「それは共同親権を否定する理由にならない。十分条件の検討だけになっている。必要条件の検討がない」と法律家らしくロジカルに返答。「共同親権を求めている者は面会交流のことだけではない。今回の内閣府調査にも出ている。単独親権が妥当する事案だけ単独親権にすればいい」と主張を繰り返した。

さらに駒崎氏に対し、「それを超えて共同親権が妥当する事案にまで単独親権を強要する必要性と理由は?貴殿は選択的夫婦別姓や同性婚を否定するの?否定論者は別姓や同性婚が妥当するカップルにも伝統的家族観なるものを強要する。賛成論者はそれぞれのカップルに妥当するものを選べばいいと」と疑問を呈した上で、「それぞれの家族に最も妥当するものを丁寧に適用していこうというのが現代家族法の考え方。貴殿が力を入れているDV事案等を救うために他の事案を犠牲にするのは傲慢。貴殿は単独親権で救う事案だけを考えればよい。もし政策を考えるならDV事案以外の全体も見ること」と、弁護士・政治家経験を踏まえた形で駒崎氏に呼びかけていた。

しかし駒崎氏は収まらず、「選択的夫婦別姓」を持ち出した橋下氏の投稿に対し、「選択的夫婦別姓と共同親権をごっちゃにするのは詭弁だということは、あなたもお分かりでしょう。 DV夫や支配的な夫が「共同親権にしないと殺すぞ」と脅せば、そのカップルは共同親権を「選択」することになってしまいますよね。 現場のリアルに、想像力を働かせて下さい」と反発。

橋下氏もすかさず応酬し、「その事案は単独親権にすればいい。共同親権が妥当する夫婦の一方を泣かせる必要も理由もない。離婚事案のうちのDV事案の百分率をよく考えるように。単独親権を求める者もいれば共同親権を求める者もいる。その際のベターな制度はなにか。一律単独親権でないことは明らか」と持論を展開。

あとは単独か共同かを認定するシステム、事後的に変更するシステムの問題。全離婚事案を一律に単独親権にするという話ではない。共同親権を求めている人たちを救うことも重要な政治課題。貴殿はそういう人たちを切り捨てている

親権の問題も姓の問題も基本は同じ。それぞれの家族に最も妥当なものを選ぶか、一部の不都合性を全体にまで拡大して不都合のない家族にまで望まないものを強要するか。僕は前者。一律単独親権は後者で選択的夫婦別姓を否定するのと同じ思考過程。レッテル貼りをせずに詭弁の理由を言って

などと、駒崎氏を重ねて批判した。

一方、駒崎氏も「橋下徹氏は、あたかもご自身が全体を見渡しているかのような発言をされているが、優れた政治家ほど「自分には知らないことがある」という謙虚さを持っている。 自分こそが全体を見渡している、という傲慢こそが暴走を生む。 橋下氏と維新に足りないのは、弱い立場の人たちに謙虚に耳を傾けること」などと徹底的にこき下ろした。

両者の論争はまだまだ続きそうだ。

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