東京の暮らしはもう限界!コロナ移住の候補地は?

自らも淡路へ『東京を捨てる』著者語る #1
2021年05月18日 06:01
ライター/SAKISIRU編集部
  • リモートワークで都市から移住の実情は?淡路島に移住したジャーナリストが語る
  • まだ要出勤の会社もあって東京から100キロ圏内程度が人気。「引っ越しの感覚」
  • 東京ライフは世代の分断や教育格差も。国は守らないので自給自足圏を作りたい

コロナ禍でリモートワークが進むなか、都市部から郊外へと移住する人が増えている。『東京を捨てる  コロナ移住のリアル』(中公新書ラクレ)の著者で、ジャーナリストの澤田晃宏氏に、コロナ移住の実態を聞いた。澤田氏も2020年、東京から兵庫・淡路島に移住している。(3回連載)

兵庫県淡路市にて筆者撮影
兵庫県淡路市にて筆者撮影

移住場所で多いエリア

――コロナで移住を考える人は、増えているのでしょうか?

総務省の統計で、2020年東京都から出ていく人転出者が約40万人となり、14年以降最大となりました。特に、30代〜40代の子育て世代が東京を捨てている傾向があります。

コロナによるリモートワークが始まると、都心のマンションでお父さん、お母さん、子供たちが1日中一緒にいることになり、部屋がぎゅうぎゅう。子供が走り回れば、下の階から苦情が来る。都内で家族が住むような一軒家を借りれば家賃が20万以上かかり、現実的でない。そこで、都心の外へと移住する流れが出てきているんです。

淡路島でコロナ移住を果たした澤田晃宏氏(筆者撮影)

――移住場所で多いエリアは?

リモートが進んでいるとはいえ、昭和型の古い会社では、まだまだ出勤を必要とするケースがある。東京を完全に捨てることは、難しいのが現状です。移住と言っても、遠くても水上(長野)、上毛高原(群馬)、三島(静岡)、あるいはぎゅっと範囲を狭めて、筑波(茨城)、我孫子(千葉)、柏(同)、小田原(神奈川)といった、都心から100キロ〜150キロ圏内を選ぶ人が多いです。移住というより、引っ越しぐらいの感覚です。

――移住先は、どうやって選べば?

最初は何らかの地縁や血縁がないと、なかなか土地を選びにくい。実家が地方にある人は、ラッキーです。「ふるさと回帰支援センター」など、移住者の相談窓口を通じて縁のない土地を選ぶこともできますが、半年ぐらい時間をかけて、じっくり決めるケースが多いです。コロナ禍のタイミングでは、東京や大阪から地方に下見にいくのもなかなか難しい。

――都会からの移住は、歓迎されるのか?

地元の行政としては、現役世代の人々が来てくれるのは大歓迎。都心の高所得層のテレワーカーが住んでくれれば、税収もあがります。あるいは、起業して新たな産業や雇用を生み出してくれるかもしれません。

ただ、地元の住民たちが歓迎するかというと、そうとも限らない。特に長年その土地に住んでいる高齢者からすれば、外から新しい人が入ることに拒否感を示す人は、珍しくありません。

東京ルールと違う生き方

――澤田さんが東京から淡路島への移住を決めたのはなぜ?
長年ジャーナリストとして活動してきましたが、この数年、出版業界の状況がいよいよ悪くなってきました。冷静に住む場所を考えたときに、東京で生きている人たちが楽しそうじゃないよなと思ったんです。団塊の世代の退職金と年金を支払うために、その下の世代が給料を減らされているようなもんでしょ。

教育格差も広がって、小さい頃から学費の高額な塾に通っている子供でないと、良い大学には行けない。階級社会ですよね。東京のルールとは違う、別の幸せな生き方を探したいと思ったんです。

――淡路島はどうやって選んだのか?

元々兵庫県出身で、友人が淡路島で農業をやるというから、一緒にやることにしたんです。友人は今ではお好み焼き屋さんも経営しています。

澤田さんの地元に広がる玉ねぎ畑(筆者撮影)

――東京の暮らしは、どう思う?

東京で年収600万〜1000万円ぐらいの層が一番きついじゃないでしょうか。35年ローンを組んで、満員電車に揺られて、電車にベビーカー乗せるのにも気を使って。カフェに行っても、隣の人と肘がぶつかりそうなほどの距離。私も3〜4週間に1回ぐらい東京に行きますが、人が多いというだけで本当にストレスになります。

――都市の魅力は感じない?

東京は、年収2000万円ぐらいあったら快適に暮らせるんでしょうけどね。山手線のほとんどの駅にアトレができ、郊外にはららぽーとができた。この20年ほどの間に、東京はとても均質的な街になってしまいました。

「独立国を作りたいくらい」

――淡路島の暮らしはどうか?

畑で植えた野菜を大きくなったり、釣った魚を自分で捌いたり、普通に暮らしているだけで楽しいです。レジャー施設やショッピングモールなんかに行くより、ずっと楽しい。東京にいると、何をするにも金がかかる。しかも街中は広告の洪水で、脱毛しろとか英会話行けとか、買え買えとうるさすぎます。

――今後の目標は?

世代の分断がこれだけ進んでしまったので、淡路島で40代以下ぐらいの人々で独立国を作りたいぐらいですよ。将来、国が守ってくれるわけではないのはハッキリしています。独立国は言い過ぎとしても、自給自足圏を作りながら、新たな生き方を世の中に提示していきたいと思っています。

『東京を捨てる』著者語る #2 生活費は安くなる?に続く)

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