TKO木本武宏の投資トラブル、業界通「STEPNのバブルは長く続かないと見られていた」

常に新規ユーザーを必要とするビジネスモデル
ライター
  • お笑いコンビTKOの木本武宏氏に5億円の投資トラブル
  • 話題の「STEPN」とは?仮想通貨に詳しい「そんぷ〜」さんに話を聞く
  • 「歩くだけで儲かる」のは新規ユーザーがお金を払っていたから

大手芸能事務所、松竹芸能は23日、お笑いコンビTKOの木本武宏氏との契約を解除したことを発表した。木本氏を巡っては、5億円にも及ぶ投資トラブルを起こし、テレビ、ラジオ各局に番組出演の見合わせを申し入れていることが報じられていた。

木本氏が最近注目していたのが暗号通貨(仮想通貨)を使ったゲームアプリ「STEPN(ステップン)」だ。どのようなものか、暗号通貨に詳しい「そんぷ〜」さん(ツイッター: @songpu_eth)に話を聞いた。

STEPNトップページのスクリーンショット

予想通りの展開でした。STEPN投資は、「初期のバブルは長くは続かないビジネスモデル」と見られていたからです。

STEPNは万歩計のようなもので、スマホゲーム内でスニーカーを購入し、実際に街中を歩くことでゲーム内の暗号通貨「GST」を稼ぐことができる。「GST」は最終的に日本円と交換することが可能なため、「歩くだけでお金が儲かる」、「move to earn(=移動で儲ける)」などの謳い文句でユーザーを拡大していった。

GSTの価値は4月末に1GST=1000円まで高騰したが、5月以降急激に価値が下がり、現在は1GST=8円程度と約100分の1まで暴落している。木本氏は4月末に放送されたテレビ番組「やりすぎ都市伝説(テレビ東京)」で、STEPNの魅力を語っていた。結果論ではあるが、STEPNバブルが崩壊する寸前の時期である。

テレビが取り上げるようになったら、その投資話はもう古いということかもしれない。そもそも、なぜ「歩くだけでお金が儲かる」のか?

収入の主な原資は、新規ユーザーのスニーカー代です。つまり、ユーザーが増え続けない限り、必ずどこかで頭打ちになる仕組みだったのです。

初期プレイヤーは儲かるが、後になればなるほど損をするというわけだ。

中国では暗号通貨は禁止されており、5月末には運営側が中国でのサービス停止を発表しました。そこから一気にユーザーが離れていき、バブルが崩壊したわけです

SNSに惑わされてはいけないという。

TwitterなどのSNS上では「こんなに儲かった」という景気の良い投稿が目立ちますが、損をした人はわざわざ投稿しないし、投稿しても拡散されません。SNS上では億り人が次々と誕生しているかのように見えますが、本当は、損をしている人がたくさんいます。

木本武宏氏(22日、松竹芸能サイトより:現在は削除)

儲け話に乗ったつもりが、結局はカモにされてしまうというのは、よくある話だ。

新規参入者が増えれば自分が儲かる仕組みなので、ユーザーを増やすために儲け話を大袈裟に広めている人もいました。

ただ、木本氏の場合、STEPNだけで破綻したわけではなさそうだ。

木本氏の損失が5億円だとすると、STEPNだけでそれほど大きな金額になるとは考えにくい。もともと多くの投資トラブルを抱えていて、STEPNで最後のダメ押しを受けたのでしょう。STEPNは暗号通貨の売買と違って参入の敷居が低く、やってみようという人が多かったのです。

必ずしもSTEPNの運営者が悪いわけではないという。

STEPNは、あくまでゲームアプリに過ぎません。ユーザーが遊びの範囲でランチ代を稼ぐ程度の使い方をしていれば良かったのですが、投機の対象となったことで、トラブルを生んでしまいました。

STEPNはややオワコンの空気も漂っており、暗号通貨投資には注意が必要だ。

暗号通貨は価値が定まっておらず、まだまだバクチの要素が強いのが現状です。投資の際は余剰資金の範囲に抑えることや、積立投資の形でリスクを分散させることも重要です。

木本氏は所属事務所からの契約解除をされたことで、事実上の芸能界引退に追い込まれた格好だ。

 
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