コロナ政局の内幕 #2 想像力の欠如が「失敗の再現」を招く

繰り返さないための教訓とは?
ライター・編集者
  • 乾氏へのインタビュー連載2回目は、日本で繰り返される有事対応の失敗について
  • 憲法に緊急事態条項がなく、時限立法で私権制限する問題。野党も想像力が欠如
  • 国のあり方を考え直さず失敗を再現。国民も「自分の身を自分で守る」意識が不足

昨年5月に『官邸コロナ敗戦』(ビジネス社)を出版し、緊急事態宣言に追い込まれた日本政府の内幕を描いた産経新聞論説委員長の乾正人氏への連続インタビュー。コロナで改めて表面化した、この国の緊急事態への脆弱性について指摘します。

2020年春の緊急事態宣言下、営業休止に追い込まれた飲食店(Fiers/iStock)

「非常時」を想定せず 日本の憲法

――緊急事態に関しては、世論のねじれも気になります。前回のお話にもあったように、この期に及んで厚労省が機能しないのは、「非常時」に切り替える法体系が未熟だからという指摘があります。

 ワクチンの「打ち手」である医師を集められないのが典型でしたよね。日当の額を上げたら「それならやります」という話になった。非常時に何をやっているのかと。政治の判断で早急に医療体制を動員することもできない。

――また、「ロックダウンに相当するくらい、強制的に人々の行動を抑制すべきだ」という声もありますが、そういう人に限って憲法の緊急事態条項の追加には反対していますね。

 まったくおかしな話です。

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