ミサイル配備に揺れる石垣島 〜 “基地アレルギー”の本島と全く異なる光景とは

【前編】台湾有事へ「臨戦」八重山を歩く
ノンフィクション作家/フリーライター
  • 台湾有事へ「臨戦」ムードの沖縄・石垣の現場を歩く
  • ミサイル配備で揺れる市議会、基地予定地に行ってみると…
  • 地元の受け止めについて、八重山防衛協会の事務局長に聞く

【編集部より】昨年から日本の安全保障や防衛のあり方が大きく変わろうとする中、台湾有事の「最前線」に近い沖縄・石垣島の人々はどう受け止めているのか。ライターの西牟田靖氏による現地ルポを2回に渡り、お届けします。

灯台から望む東シナ海(Cheuk Hin Sherman Sham /iStock)

ミサイル配備に揺れる島

昨年末、日本の防衛のあり方を大きく変える決定がなされた。いわゆる“安保3文書”(「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」)が12月16日に閣議決定され、「反撃能力」保有が明記された。

南シナ海を埋め立て、勝手に基地を作り続けたり、尖閣諸島の周辺海域に海警局の公船を2~4隻常駐させたり、8月には台湾を取り囲んで軍事演習を展開、与那国島のEEZに5発のミサイルを着弾させたり。このように軍拡を続け、台湾占領の野望を隠さなくなった中国。主にその脅威から国を守るためには抑止力が必要であるという判断から、「反撃能力」保有が明記されたといっていいだろう。

KTK /PhotoAC

政府の閣議決定を受けて、石垣市議会が動いた。長距離射程ミサイルの配備について石垣市議会は12月19日に審議、「到底容認できない」という意見書が野党、中立の賛成多数で可決されたのだった。

このように基地建設で揺れる石垣に僕は年末に渡った。建設中の基地を見に行くとともに、現地での基地に関する評判について自分の目と耳で確かめてきた。

辺野古と違う基地予定地の風景

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