「行くたびに赤字」でも“尖閣の番人”を続けてきた男が直面した異変

【後編】台湾有事へ「臨戦」八重山を歩く
ノンフィクション作家/フリーライター
  • 台湾有事へ「臨戦」ムードの沖縄・石垣の現場を歩く後編
  • 尖閣に30年近く通い続けてきた漁師で市議の仲間均氏の近況は?
  • ミサイル配備反対決議に無念の欠席。港に係留中の船を訪ねると…

台湾有事の「最前線」に近い沖縄・石垣島の人々は、昨年から激変し始めた国防論議をどう受け止めているのか。ライターの西牟田靖氏による現地ルポ後編は、尖閣への上陸や漁業活動で知られる仲間均氏の近況を紹介する。港に係留中の船を訪ねると異変が…。

仲間氏が尖閣行きに使ってきた漁船「鶴丸」(2021年11月、撮影筆者)

「中国公船の動きが一変した」

12月16日に「国家安全保障戦略」など3文書が閣議決定され、「反撃能力」保有が明記された。ここでいう反撃能力とは、主に台湾有事を想定して、配備が想定されているトマホークミサイルのことだ。それらが置かれる可能性があるのが、今年春に開設予定の石垣島の陸上自衛隊の駐屯地だ。その基地予定地を訪れるのが、石垣島を訪れた第一の理由だった。

ほかに目的はふたつあった。台湾有事や自衛隊基地建設について語れる識者に話しを聞くこと、尖閣諸島の現状をよく知る方にお会いすることだった。3つ目の、尖閣の現状に関して、会うべき人は1人しかいない。それは中国の公船に接近されながらも尖閣での漁を続けている石垣市議会の議員で漁師でもある、仲間均さんだ。

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