岸田首相のウクライナ訪問で、次の焦点は「サハリン2」の行く末…

チラつく13年前の「悪夢の再現」、新たな綱渡りへ
報道アナリスト/株式会社ソーシャルラボ代表取締役
  • 岸田首相のウクライナ訪問でロシアは「報復」するのか
  • 中露首脳会談のメンツ潰した格好、「サハリン2」への影響懸念の声
  • 野党議員が指摘する「悪夢」の再現、気になる政府の戦略…

ついにその時がやってきた。岸田首相が21日正午すぎ(日本時間午後7時すぎ)、ウクライナの首都キーウに到着した。G7の首脳で唯一、ウクライナを未訪問だったが、戦後日本の首相として初めて戦時下の国に入るという文字通りの冒険に踏み切った。首相の政治決断、また前代未聞のプロジェクトを周到に準備した政府の関連部局に率直に敬意を表したい。

ブチャを訪れた岸田首相(出典:ウクライナ外務省

手放しで喜べない「快挙」

サミット議長国として責任を果たしただけではない。首相のウクライナ訪問の第一報はこの日昼前、野球のWBC準決勝の中継中に流されたこともあってサプライズ効果は倍加した。広島サミットに向け、政権支持率も上昇することが予想される。それはいつでも解散総選挙を打てるという「選択肢」が増えることを意味し、実際に解散しないまでも求心力を高めることにつながる。

しかし、そう浮かれてばかりはいられない。ウクライナ訪問のタイミングで中国の習近平国家主席が訪露し、プーチン大統領との首脳会談に重なった。これにより、中露のメンツを壊したのは間違いない。岸田首相が「意外にやる」と評価する向きもあろうが、インドから転戦するという日程的な事情から偶然かもしれない。ただ意図的であろうと、偶然であろうと、結果として中露首脳の不快感は一層深くなったであろう。

こうなるとプーチン氏が岸田政権にどういう「報復」をするのかが注視されるが、筆者が以前、ウクライナ訪問時の懸念材料として挙げた「サハリン2」の今後に焦点が集まらざるを得ないだろう。首相のウクライナ訪問と直ちに関連ではないものの、気になるロシアのエネルギー関連の報道があった。

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報道アナリスト/株式会社ソーシャルラボ代表取締役

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