NHKが局内のジャニーズ性被害報道で、テレ朝追い込まれる?

望月記者すでに“ロックオン”

ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長(2019年に死去)による性加害問題で、NHKが9日、東京・渋谷の自局内で20年ほど前、当時ジャニーズからデビューをめざしていた男性が、元社長から複数回の性被害を受けていたとする証言を報じた。

東京・渋谷のNHK放送センター

NHKは、男性の話として2002年秋、同局の番組「ザ少年倶楽部」に出演を希望していた男性がNHK放送センターを訪れた際、元社長に構内の男性用トイレに連れて行かれ、個室の中で性被害に遭ったと報じた。

元社長の性加害を巡っては、事務所が設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」(座長=林真琴・前検事総長)による調査で「少なく見積もっても数百人の被害者がいるという複数の証言が得られた」と指摘されている。

同調査が「現場」として例示したのは元社長の自宅や合宿所、ホテルなどだった。放送局内でも事に及んでいたとする証言が新たにクローズアップされたことで、事実であれば、日本の芸能史上最悪の性犯罪として改めてそのおぞましさを物語ることになった。

一方、NHKと同様にジャニーズが恒常的に使うリハーサル室があったと指摘されているのがテレビ朝日だ。

東京・六本木のテレビ朝日(編集部撮影)

テレ朝はジャニーズJr.の登竜門的な存在だった番組「#裸の少年」を2001年から放送するなど、民放各局の中でも特にジャニーズ側と関係が深いとみられてきた。NHKの今回の報道を受け、あるテレ朝の関係者は取材に対し、すでに戦々恐々の様子。万一同様のことが自局内で起きていたとする証言が出た場合の衝撃は計り知れない。

2日の記者会見で「NGリスト」に載ったことが話題になった東京新聞の望月衣塑子記者は、テレ朝を“ロックオン”している。この日Xで、取締役会が近く行われることを挙げ、「ジャニーズ事務所との今後の関係、タレント起用についても話が行われるのだろうか」と追及した。

ただ、続々と新たな証言が出る一方、それを裏付ける材料が不足していることにジャニーズ事務所は苦悩している様子だ。9日には新たな声明文を公式サイトに掲載。

弊社は現在、被害者でない可能性が高い方々が、本当の被害者の方々の証言を使って虚偽の話をされているケースが複数あるという情報にも接しており、これから被害者救済のために使用しようと考えている資金が、そうでない人たちに渡りかねないと非常に苦慮しております。

と述べ、報道機関側に十分な検証を要請した。この声明内容には、NHKの報道に否定的な見解を示唆したと見る向きもある。

 

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