マスコミは報じない!広島平和祈念式典を妨害「仁義なき」デモ騒音のリアル

今後の対策は新たなフェーズへ
2021年08月07日 11:00
広島市議会議員/元読売新聞記者
  • 今年も広島の平和祈念式典は左派団体によるデモで静寂が破られた
  • 早朝から人垣で場所を占拠、「天皇制粉砕」の旗も…マスコミは報道せず
  • 団体側との協議していた音量規制も守られず?対策は新たなフェーズに

冒とくされた原爆犠牲者。踏みにじられた世界恒久平和への思いーー。

被爆地・広島市は8月6日に76回目の原爆の日を迎え、平和記念公園で「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」(平和記念式典)が執り行われました。ただ、その報告を綴るにあたり、「厳粛で静謐な環境の中、参列者は原爆犠牲者を悼み、世界恒久平和を誓いました」と続けることはできませんでした。皆様に対し、大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。

先日、SAKISIRUでお伝えしたように(参照「広島の平和祈念式典を妨害するデモ団体の“騒音”:静謐は取り戻せるか」)、長らく、8月6日の平和記念式典は、中核派などからなる左派デモ団体の騒音で妨害に遭っています。今年も、左派デモ団体の傍若無人な振る舞いで平和記念公園の静謐な環境が乱され、デモのシュプレヒコールで平和記念式典の厳粛さが損なわれたからです。

デモのスペース確保を「守る」ため人垣を構築(筆者撮影)

静寂を願う人に「ファシスト!」

このような事態は、テレビや新聞といったオールドメディアで取り上げられることは、まずありません。ですので、今年の8月6日の様子をお伝えしたいと思います。

まず、原爆ドーム付近での騒擾により、静謐な環境が乱されたシーンです。原爆ドームの北側の公共空間は、左派デモ団体の集合ポイントになっています。午前6時前から参加者が手をつないで人垣を作り、その内側に“専用スペース”を確保していたのです。

デモのスペース確保を「守る」ため人垣を構築(筆者撮影)

周辺住民らが往来のため入り込む余地もなく、私も通行しようと試みましたが、参加者とおぼしき男性に「ここは取ってある。ほかを通れ」と押し返されました。ここは広島市が管理する公園の一部ですから、空間は皆のものです。ところが、左派デモ団体はそんなことお構いなしに、占拠状態にしていたのです。

さらに傍若無人さはエスカレートしていきます。拡声器の音量は抑えてくださいという立て看板など完全無視で、静かにしてほしいと願う人たちに、拡声器を使って「ファシスト」などと罵詈雑言を浴びせ続けるのです。なお、この集団の占拠する空間には、「天皇制粉砕」「改憲阻止」などと書かれたのぼりが立っています。「自治労倉敷市職員組合」「マスカットユニオン」などの文字も見えました。

デモ隊の中に「労組」の側も(筆者撮影)
「音量を抑えて」注意の立て看板も空しい喧騒に(筆者撮影)

実は、この喧噪状態の解消は古くからの課題です。この2年間は、新型コロナウイルスの影響で、8月6日に広島市を訪れる人は激減しているので目立ちませんが、初めて広島市を訪れた国内外の人々が世界遺産の原爆ドームの直下でこのような光景を目にしたら、国際平和文化都市を標榜する広島市の信頼は失墜しかねません。

また、現在、広島市は原爆ドームの北側に位置する旧広島市民球場跡地を含めた周辺一帯の再整備に取り組んでいます。先日、同跡地の整備を実施する法人やデザイン案や概要などが明らかになったばかりです。同跡地を広島市の新たな玄関口とする構想のため、原爆ドーム周辺の静謐な環境を確保することが急務となっているのです。

次は、式典の厳粛さが損なわれた話です。午前8時20分すぎ、小学生の代表2人による「平和への誓い」の最中、左派デモ団体のシュプレヒコールが響きました。文言は聞き取れませんでしたが、一瞬にして異様な雰囲気になりました。それを聞いた子どもたちがどんな気持ちになるか、想像できないのでしょうか。平和への思いを踏みにじる行為にほかなりません。さらに同8時半前、菅義偉総理のあいさつ前です。菅総理が演台に進むまで十数秒の空白があり、「菅、帰れ」というシュプレヒコールが繰り返し明瞭に聞こえました。平和への誓いの時よりも大きく聞こえ、暗澹たる雰囲気になりました。

平和記念公園前を流れる元安川には静寂を訴える横断幕が掲げられていたが…(筆者撮影)

対策は新たなフェーズに入った

これまで、広島市は左派デモ団体との協議で、音量は拡声器から10メートル離れた地点で85デシベル以下と取り決めていました。しかし、昨年は、この取り決めは反故にされました。今年の音量データはまだ出ていませんが、今年のほうが音量が大きいというのが実感です。そろそろ、口約束ではない、一歩進んだ対応が求められているフェーズに入ったと思います。

今年6月に議員提案により成立した「広島市平和推進基本条例」の第6条2項には、「本市は、平和記念日に、広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式を、市民の理解と協力の下に、厳粛の中で行うものとする」と規定しています。一方、私たち広島市議会には、「市議会は、(中略)平和の推進に関する活動を行うものとする」(第4条)という役割が与えられています。つまり、広島市と市議会が協同して、8月6日の諸課題を克服することが求められているのです。

多くの広島市民、日本国民が、静謐で厳粛な環境のもと、原爆犠牲者を悼み、世界恒久平和を願うことを望んでいます。被爆者の平均年齢は84歳近くになっています。8月6日は1年に1度しかありません。「今年ダメだったから、じゃあ来年」とのんきに構えていてはいけない段階にきているのです。だからこそ、相当の熱量と相当のスピード感をもって、事態の改善に取り組んで参ります。

 

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広島市議会議員/元読売新聞記者

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