「デスクが掲載に難色」横浜・山中市長の告発報道で、神奈川新聞が告発人側とトラブル
郷原氏がブログで取材の舞台裏“暴露”- 横浜市・山中竹春市長の刑事告発を巡り、告発者と神奈川新聞のトラブルが判明
- 記者は意欲的で告発者を取材。告発受理は特報も、予定していた長文記事は幻に
- 告発者代理人の郷原氏が抗議した理由。ボツにするはずであった…
横浜市・山中竹春市長が昨年8月の市長選出馬に際し、当時の勤務先だった市立大の理事長に対し、山中氏を称賛する内容のメールを学内に出すように無理強いさせたことなどが刑法の強要罪にあたるとして刑事告発され、横浜地検が受理した事件を巡り、地元紙の神奈川新聞が、告発した有志グループとトラブルになっていることが16日、明らかになった。グループの代理人を務める郷原信郎弁護士が同日、ブログで明らかにした。

「ガツンとやりたい」記者は意欲も…
郷原氏のブログや関係者によると、山中市長の刑事告発受理について「市政にとって重要な問題」として報じるのに相応しいメディアとして、地元紙の神奈川新聞に情報提供することを決め、同紙の横浜市政キャップの三木崇記者に告発人の直接取材を打診した。
三木記者は告発人の代表者に電話取材を行い、3月3日付朝刊で告発受理の事実はスクープとして掲載。しかし、サキシルでも既報した通り、県内のローカルニュースを伝える広域面にベタ記事として小さく掲載されるにとどまる一方、同じ朝刊の一面準トップで、別件の神奈川県真鶴町長らに対する刑事告発状提出の話が大々的に報じられるなど、扱いの差が大きかったため、郷原氏が同日のツイッターで「この神奈川新聞の紙面での扱いは不可解」と述べ、一般の横浜市民も地元紙への不信感を発信する異常事態になっていた。
確かに、この神奈川新聞の紙面での扱いは不可解。「山中市長問題」をどういう姿勢で報じようとしているのだろう?➡【横浜・山中竹春市長の不当圧力疑惑、刑事告発受理も、地元紙にやる気はあるのか? 】– SAKISIRU(サキシル) https://t.co/B9PNXGzoGU #SAKISIRU #サキシル
— 郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 (@nobuogohara) March 3, 2022
今回のトラブルはその続報。郷原氏のブログによると、三木記者は「告発受理を報じた記事は小さな扱いとなり、いろいろ意見もあったので、告発人側のインタビューを行った上で、中身のある記事を出して、ガツンとやりたい」という趣旨の申し入れを行い、6日に横浜市内で2時間の取材が行われた。三木記者は山中氏の追及に意欲を見せ、郷原氏サイドに修正点の確認のため、トップ扱いの長文記事の予定稿を打診。
しかし記事を編集・統括する上司のデスクが「掲載に難色を示している」とのことで直後の掲載は保留に。郷原氏サイドは三木記者の要請に応じ、山中氏によるパワハラ被害を訴える大学関係者に補充取材を受けた。それでも「デスクが通してくれなかった」と記事の掲載がまたも先送りされた末に、8日の山中市長の記者会見を報じる記事の中で、告発受理に関する当事者側の談話として小さく載せるにとどまったという。
記者は3月末で異動、ブログが波紋

郷原氏が三木記者に「(告白人は)相当に無理をして取材に応じてくれた。その趣旨に全く反する記事にされることには納得できない」と抗議し、結局、記事はお蔵入りになったはずだった。
ところが、9日付の朝刊や電子版に掲載した記事には、「告発人のインタビューの内容を記事化する前提で送付した告発状の現物の写真」や「ボツにするはずであった告発人代表者のコメント入りの記事がそのまま掲載されていた」(いずれも郷原氏ブログ)という。郷原氏は神奈川新聞宛に内容証明入りの抗議文を送ったが、電子版の画像は差し替えられたものの、同社からこの日までに返答はなかったという。
告発人グループとは別に、横浜市のメディア事情に詳しい別の関係者はサキシルの取材に対し「三木記者は山中市長への追及に意欲があり、取材も熱心だが、彼の上司や編集局の幹部が横浜市に忖度しているのでは」との見方を示す。この関係者によると、三木記者は3月限りで横浜市政担当を外れ、永田町の記者クラブ付の国政担当に異動するという。これについても「“栄転”に見せかけ、巧妙に市政担当から外す人事ではないか」(関係者)との憶測が横浜の政治・メディア関係者の間では広がっている。
郷原氏がこの日、取材の裏事情をブログで“暴露”したことで、ツイッター上では以前から山中市長の問題や地元記者クラブの報道姿勢を追及するネット民からは
今回の刑事告発、山中問題が極めて重大であるにも拘わらず、意図して矮小化、多くの市民に伝えないジャーナリズムの『死』を意味する行為
神奈川新聞がメディアとして抱えている深刻な問題。追及するつもりはないご様子で。
などの声が上がっていた。神奈川新聞が今後どのような対応を取るのか、注目される。
関連記事
編集部おすすめ
ランキング
- 24時間
- 週間
- 月間
安芸高田市長にヤッシーが喝!田中康夫氏「やり方が下手っぴ。頭でっかちな偏差値坊や」
ホテルニューオータニ、文春報道での機密漏洩疑いに「誰一人としてあり得ない」
ハリケーン直撃のアメリカ・フロリダ州でEV火災が続発、消火には特別な訓練必要
週刊文春に木原氏の様子を「ホテル関係者」がペラペラ、ニューオータニは大丈夫か?
まさかの「岸田減税」あるか?田崎史郎氏が“爆弾発言”、木原誠二氏「やりゃいいんだよ」
「見込み捜査中」に過ぎないのに、木原官房副長官の妻を“殺人犯扱い”する文春砲と報道関係者は大丈夫か
「ナベツネ老害」読売新聞の異様なスポーツベッティング叩き、政界や報道他社はドン引き
「学歴中心の履歴書から経験中心の履歴書へ」女性起業家の発言が10か月経って“炎上”
「結論ファースト」と「結論ラスト」、一体どっちが正しいの?
国民民主・玉木代表の「資産ゼロ」が話題、背景にとんでもないザル法の存在
安芸高田市長にヤッシーが喝!田中康夫氏「やり方が下手っぴ。頭でっかちな偏差値坊や」
週刊文春に木原氏の様子を「ホテル関係者」がペラペラ、ニューオータニは大丈夫か?
ホテルニューオータニ、文春報道での機密漏洩疑いに「誰一人としてあり得ない」
まさかの「岸田減税」あるか?田崎史郎氏が“爆弾発言”、木原誠二氏「やりゃいいんだよ」
「見込み捜査中」に過ぎないのに、木原官房副長官の妻を“殺人犯扱い”する文春砲と報道関係者は大丈夫か
ハリケーン直撃のアメリカ・フロリダ州でEV火災が続発、消火には特別な訓練必要
岸田首相 “なんちゃって減税”は、経団連の要望丸呑み。将来の「消費増税」予想も
KADOKAWA元専務ら逮捕で再注目、川上量生氏の東京オリンピック関連での“古傷”
ミツカン訴訟で元婿無念の一審敗訴、報道は“東スポだけ”大スポンサーの隠然たる存在感
資産運用特区、ライドシェア…岸田再改造内閣、改革“やってる感”を払拭できるか
安芸高田市長にヤッシーが喝!田中康夫氏「やり方が下手っぴ。頭でっかちな偏差値坊や」
女性市議の発言順抽選「子連れ参加NG」、報道されないウラに何が?
「見込み捜査中」に過ぎないのに、木原官房副長官の妻を“殺人犯扱い”する文春砲と報道関係者は大丈夫か
ジャニーズ記者会見「司会」で注目、FTIコンサルティングって何者だ?
ジャニーズ記者会見へ、憂慮される「茶番」と「待った」をかける記者は誰か
東京・港区が全区立中学で海外修学旅行、「世紀の大盤振る舞い」なぜ起きた?
楽天・三木谷氏「NTTをそのまま完全民営化、あり得ない」。田端信太郎氏から痛いツッコミも
週刊文春に木原氏の様子を「ホテル関係者」がペラペラ、ニューオータニは大丈夫か?
ホテルニューオータニ、文春報道での機密漏洩疑いに「誰一人としてあり得ない」
60年ぶり百貨店ストライキの本質、「そごう・西武」紛糾劇に見る日本の“お気持ち資本主義”
特集アーカイブ
人気コメント記事ランキング
- 週間
- 月間