国産コロナ経口薬「ゾコーバ」継続審議、批判した日経社説が“医クラにフルボッコ”

「利益相反が疑われても不思議じゃない」

20日に開催された、厚生労働省の薬事分科会と医薬品第2部会の合同会議で、塩野義製薬が開発した新型コロナウイルスの経口治療薬「ゾコーバ」の緊急承認を見送り、継続審議とした。

ゾコーバは、国産初のコロナ経口薬として期待されていたが、現時点では有効性を示すデータが不十分と判断された。ゾコーバは継続審議となり、11月にも提出される第Ⅲ相(最終段階)治験の結果を待って改めて審議される見通し。

SakuraIkkyo/iStock

日経社説が「炎上」

このニュースの注目度は高く、新聞各社は大きく取り上げ、読売新聞、日本経済新聞、産経新聞がこのテーマで社説を出した。そのうち、日経新聞の『何のための薬の「緊急承認制度」なのか』という見出しの社説がネット上で「炎上」している。

「塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス向け飲み薬の緊急承認の結論がまた見送られた」と切り出した社説は、「今回の判断はふに落ちない」と、継続審議とした審議会の判断を批判。

ゾコーバの安全性と有効性については、「臨床試験(治験)では服用後にウイルス量が大きく減ることが判明。陰性になるまでの期間も短くなった。安全性においても目立った問題はなかった」とまとめている。

さらに、審議会が下した「継続審議」の判断には、「感染症のまん延による健康被害を防ぐため治療薬やワクチンの有効性を限られたデータから「推定」すればいいはずではなかったか。」と、今回初めて適用された、医薬品承認の緊急承認制度の意味がないと指摘。その上で、有効性の判断がつかないのであれば、「継続審議」ではなく「承認せず」にすべきと主張した。

また、「安全性に問題がないのであれば、緊急承認し、使うかどうかの判断は現場の医師や患者に委ねることもできただろう」とし、とりあえず承認し、実際に使うかどうかは現場の医師や患者本人に任せるべきと指摘していた。

専門家「この社説の著者はなんにも分かってない」

この記事が配信されると、医療従事者を中心に様々なユーザーから否定的な声が寄せられた。

AIを活用した創薬などが専門の東京工業大学准教授の関嶋政和氏は「科学的知見で、効果が認められないものを医師の判断に任せよとはどういうことか」とツイートしていた。

科学的知見で、効果が認められないものを医師の判断に任せよとはどういうことか。見識が問われる。

感染症が専門の神戸大学教授の岩田健太郎氏は、「この社説の著者はなんにも分かってないな」とバッサリ。

琉球大学医学部教授の植田真一郎氏は、「COI(利益相反)が疑われても不思議じゃないレベル」とツイートしていた。

これはあんまりでCOIが疑われても不思議じゃないレベル。承認される、されないよりも要するに「フェアな比較」で「わかりやすい臨床的な有効性」が示されたかどうか。結果としてアンフェアな評価(後で設定したエンドポイント)でしかも有効性は明らかではない

社説を擁護する意見も

一方、記事を擁護する意見も少なからずあった。特に、社説の『判断がつかないのなら「承認せず」とするのが筋だろう。「継続審議」という玉虫色の結論は理解できない。制度自体の問題が顕在化したといえる。』という部分に共感が集まった。

記事にあるように、玉虫色じゃなくて承認せずにするのが本筋ではないかい?

継続審査がおかしいというのは同意。誰も責任を取りたくないのだろう。

論説内で述べられているように “判断がつかないのなら「承認せず」とするのが筋だろう。

いずれにしても、日に日に新型コロナ新規感染者数が増える中、効果的で使いやすい経口薬は待望されている。ゾコーバに限らず、効果的で安全性の高いコロナ経口薬が1日も早く登場してほしいものだ。

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