園児バス置き去り、根性論では限界? センサー設置やIT活用を訴える声多数

「クラクションを鳴らせる訓練」も注目集まる
ライター
  • 3歳女児がバスに置き去りにされ死亡した事件が注目を集める
  • センサーや降ろし忘れ防止装置などを活用できないかとの提案も
  • 根性論よりも「構造的な問題の分析」が必要か

静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で起きた河本千奈ちゃん(3歳)が送迎バスに置き去りにされ死亡した事件。車内では空になった水筒と脱ぎ捨てた服が見つかったという。

※画像はイメージです(kuremo/iStock)

園の対応が不十分だったのではないかと非難の声が高まる一方、再発防止に向けた対策が議論されている。

東京・町田市議の矢口まゆ氏は、現行のルールが緩すぎると指摘し、幼稚園バスの運転資格を整備する必要があると訴えた。「第一種免許で運転できる 健康診断の受診必要なし 園児にはシートベルトなし アルコールチェックも必要なし 運転手体調不良時の対応の明確化も必要なし 悪天候時の取り決めも必要なし バスやタクシーへの規制を参考に全面見直しが必須では」とツイートした。

資格が厳格化されることで運転手の確保が難しくなり、現場の負担が増大する事態も考えられる。ヒューマンエラーをゼロにすることは困難であり、AI技術やセンサーなどを活用すべきとの意見も相次いだ。

国民民主党の玉木雄一郎代表は「国が補助を出してでも、幼児の呼吸などを検知し、置き去りに気づくことのできるセンサーを設置してはどうか。」と提起し、技術活用に前向きな姿勢を示した。

タレントフィフィ氏も「もう園児の通園もITで確認した方がいいかもね。親御さんからしたら、それだけ心配な案件。」と同様の見解をツイートした。

また、三重県亀山市議の草川たくや氏は「不適切な人員配置?現場の構造的な問題にも迫るべき。降ろし忘れ防止装置の義務化も視野へ。『不注意』で命を奪われてたまるか」とツイートし、技術的な方法で改善できないかと提案した。

いざという時はクラクション

事件を機に、車内に閉じこられたらクラクションを鳴らすよう、子供に指導すべきとの注意喚起も目立った。静岡県磐田市草地博昭市長は、「なにかあったらクラクションを鳴らせる訓練の検討をしたいと思います。うちの年中の息子も、クラクションのこと、知りませんでした」と述べた。

だが、同園の運営体制そのものに無理があり、構造的な問題があったのではないかと指摘する声もある。

園児のバス置き去り事故。社会構造的な問題も大きい気がするなぁ。待遇が悪いと、応募者のレベルが極端に下がるって、いろんな職場で実感した。自分はここで何を求められてるか、なんて考えず、時間内いるだけ、仕事は少なくしたい、責任は取りたくないって人が残るんだよね

同園の園長や職員たちは高齢で、注意力にも限界があったのではという声もあった。

バス園児置き去りの事件、園長先生73歳に同乗してた女性職員も70代と知り、、うちは両親共に70超えてるから想像つくけど、何が起きるかわからないという集団保育を受け持つ職場で全神経を研ぎ澄まし注意を払って仕事ができる年ではないと思う、、

確認を徹底することも大切だが、根性論よりも仕組み作りのほうが重要かもしれない。

昨年の死亡事故の教訓が生かされず「なぜ車内の確認を怠ったのか」「私だったら絶対確認する」と憤っているが,それは単なる「根性論」である.確認が行なわれない構造的な問題の分析から始めないと,同じことは何度でも起きる

再発防止に向けた取り組みが進むよう、願うばかりである。

 
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