週刊文春に木原氏の様子を「ホテル関係者」がペラペラ、ニューオータニは大丈夫か?
ホテル側、機密漏洩「あり得ない」反論- 週刊文春の木原氏報道で「ホテルで財界重鎮と謀議」記事が別方向に波紋
- 舞台はホテル御三家のニューオータニ、宴席の様子を「関係者」が“暴露”
- 「会話の内容が…」ホテル専門家絶句、4年前にも社員が文春に証言して物議
ホテルニューオータニ(東京・紀尾井町)といえば、「帝国ホテル 東京 」(同・内幸町)、「The Okura Tokyo」(旧ホテルオークラ東京、東京・虎ノ門)と並び、ホテル御三家と称される名門だ。
開業まもない1960年代後半には、ショーン・コネリー演じる初代ジェームズ・ボンドが日本を舞台に活躍した映画「007は二度死ぬ」のロケ地になり、1979年には日本初開催となったG7(先進国首脳会議、サミット)のメイン会場になるなど歴史的逸話に事欠かない。

永田町の近隣とあって政治家の利用も多く、国会や議員会館で会えない重要人物との「密会」の舞台にもなっているが、利用客である政治家と、守秘義務を負うホテル側の信頼関係が前提だ。ところが週刊文春が今週放った“砲撃”の余波でこの前提条件にヒビが入る事態になっている。
火元は文春のネタ枯れ記事
問題の記事は、週刊文春電子版が20日に配信した。内閣再改造の前夜、官房副長官を退任することが決まっていた木原誠二衆院議員が財界の重鎮4人と面会した様子を報じたが、木原氏のホテル内の様子を「関係者」と称する取材先があけすけに記者に語っているのだ。
文春によると、木原氏は9月12日夕、官僚トップの栗生俊一官房副長官とともにホテルニューオータニを訪問。JR東日本社長、東武鉄道会長、西武ホールディングス(HD)会長、東急不動産HD会長と会食したという。
周知のとおり、文春は7月以降、木原氏や妻を巡って毎週のようにスキャンダル記事を掲載してきた。今回の官房副長官退任も、岸田首相は慰留したものの、本人が固辞したとされる。木原氏周辺によると、文春砲が人権を無視して乱れ打ちした結果、木原氏の小学生の子どもが学校でいじめに遭うなどの実害が生じており、退任に追い込んだ格好だ。

党に戻って幹事長代理兼政調会長補佐として政権を支えることになった木原氏だが、それでも文春は役職の“焼け太り”と中傷し、ストーカーのようにしつこく追い回し続けている。妻の前夫の“不審死”を巡る再捜査は進展せず、業を煮やした文春は事件の本筋から外れた話題を出し続けるも、とうとうホテルで財界の重鎮4人と面会しただけの話を“謀議”と書き立てるまでにネタ枯れ状態だ。
宴席内の言動あけすけに…
ホテル内での木原氏について「終始ご機嫌な様子」と書いた文春だが、「ホテル関係者が声を潜めて言う」と目撃証言を掲載している。この「関係者」の話から、ホテル本館に隣接する高層ビル「ガーデンコート」に木原氏ら6人が集まり、地下駐車場から直通で行ける法人会員制クラブで酒席が開かれたことが説明。さらに
「木原さんは大物たちの前でも物怖じすることなく、ウクライナを訪問した際の話を臨場感たっぷりに話したり、『私は官邸を離れますが、栗生さんは残るので宜しくお願いします』としきりに頭を下げたりもしていました」
などと宴席内部の様子まであけすけに語っているのだ。
ホテル御三家に準じる高級ホテルで勤務経験があり、現在は関連業界で独立している専門家は文春の記事を見て「会話の内容が一言一句とまでは言わないまでも、かなり詳細に渡って書かれており驚いた」と絶句。「普通に考えれば、サービスのスタッフとして同席していたホテルのサービスマンが疑われるが、いったい誰が漏らしたのか…」と信じられない様子だ。
この専門家は「一般的に政治家がらみのVIPは、ベテランがサービスを担当するのが通例だ」と指摘、情報管理もVIP対応だという。自身のホテル時代を振り返っても、「お客様が宴会場を利用する際、通常は『○○の会』といった宴席名がエントランスや宴会場の横に掲げているが、政治家の少人数の利用の時は、単なる宴会場の名前『○○の間 お席』といった表示にすることもあった」という。

VIP対応となれば、そこまで念入りに気を遣った接客をするのがホテルマンの常識であり矜持というわけだ。それだけに、この専門家は「政治家のVIPを担当するようなスタッフが、そこで聞いた内容を雑誌の記者にペラペラ話すものなのか」と半信半疑だ。現場のサービスマンでないとすると、この「関係者」は他に誰が考えられるか。
「法人などのセールス担当で政治家を担当するスタッフが同席するケースもなくはない。ニューオータニクラスであれば政治家担当のセールス担当がいるはずだが、さすがにペラペラ喋るとは思えない」とも首を傾げる。ただ、一般論として「たまにお金に困っているスタッフはいるので、小遣い欲しさに喋ってしまっているケースはあるかも」とも指摘した。
「桜を見る会」でも社員が文春に証言
SNSでは、文春が「関係者」を仕立て上げた説まで出ているが、誰がホテルの利用客の動静を暴露したのか謎は深まるばかりだ。SAKISIRU編集部は文春記事掲載日の午後、公式サイト経由でホテルニューオータニの広報担当者宛に取材メールを送ったが、21日の回答期限までに返信がなかった。今後、同社から回答があれば本記事で追記するなど紹介する(※文末に追記あり)。
ホテルの関係者による暴露は過去にも問題になったことがある。ツイッター(現X)が普及し始めた2011年には、有名サッカー選手が交際中のモデルとホテル内のレストランで会食した様子を“実況中継”して、このホテルの公式サイトで謝罪文の掲載に追い込まれた。
今回騒動の舞台となったニューオータニでも、2019年に安倍晋三首相(当時)の後援会がホテル内で「桜を見る会」前夜祭を巡る政治資金問題が起きた際、週刊文春が「パーティーなどを担当する料飲営業部に所属経験のある現職社員が、重い口を開いた」などと、5000円の会費を疑問視する証言を報じて物議を醸した。
「桜を見る会」の問題で社員が取材に応じるのは、“公益通報”的な観点から許容される見方もありそうだが、今回の木原氏の会談は公人の動静とはいえ、少なくとも記事内容から違法性やコンプライアンス上の問題は見受けられない。利用客、特にVIPの不安や懸念は増すばかりで、ホテル業界にも波紋を広げそうだ。
◼︎
【追記:9/25 11:00】ホテルニューオータニ広報は25日朝、SAKISIRU編集部の取材に対しメールで回答を寄せた。
「弊社はいかなるお客様においても、業務上知り得たお客様のプライバシーに関する情報は営業機密として扱っております。弊社社員一同、誰一人としてこれを社外に漏らすことはあり得ません」
【関連記事】
「見込み捜査中」に過ぎないのに、木原官房副長官の妻を“殺人犯扱い”する文春砲と報道関係者は大丈夫か
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本記事は予告なしにサブスクに収容することがあります。当面はこのまま掲載します。
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