宮崎商 甲子園辞退で注目:朝日新聞の五輪コラムに特大ブーメラン!

論説委員「出場できる選手だけで競い合うことに意義はあるのか」

甲子園球場で開催中の全国高校野球選手権(日本高野連、朝日新聞社主催)に出場予定だった宮崎商(宮崎)が17日、部員ら13人の集団感染を受け、19日の初戦を前に出場を辞退した。このニュースを受け、ネット上では朝日新聞が5月に掲載したコラムが「大ブーメラン」だと注目が集まるかもしれない。一体どのような中身なのだろうか。

bee32/iStock

コラムは、5月16日の朝刊に載っていた論説委員の郷富佐子氏のコラム「(日曜に想う)「不公平」を抱えて進む五輪とは」。当時はオリンピック開催の是非をめぐって国論が二分していた時期だ。郷氏は、アテネオリンピックで陸上選手を取材した時に、「人生はフェアでないことが多いけれど、今日は幸せです。観客に勇気をもらいました」と述べていたことに、「あなたにとってフェアとは何か」と尋ね、選手が「スタートに立てて、ゴールまで走れること」と応じたエピソードを前半で紹介。

この話を“枕”に、菅首相に対してパンデミック下での大会開催を巡る「公平性」をテーマに本論へ。オーストラリアの飛び込み選手が選手派遣を見送り、参加断念を余儀なくされた選手がいたことから

参加できない選手がいる予選の開催はフェアではない。選手に「命か五輪か」の選択をさせないでほしい――。声明から2人の落胆と怒りが伝わってきた。

と感想を書いた上で、「私には、東京五輪が開催できるとは思えない」「開くには、さまざまな「公平性」が破綻(はたん)しすぎている」などと持論を展開。そして

同様に過酷な練習を積んできたのに、スタートにも立てない選手がいるのはフェアではない。出場できる選手だけでメダルを競い合うことに意義はあるのか。

などと感染拡大が続く中での大会開催を疑問視する論考に仕立てた。なお、朝日が社説で大会中止を菅首相に求めて波紋を呼んだのは、その10日後のことで「社論」としては大会中止に傾いていった当時の状況を伺わせるが、朝日は甲子園については、関係者に限定する「ほぼ無観客」で予定通りに開催した。

しかしバツの悪いことに、今回、感染による出場辞退を出したことで当然のことながら郷氏の書いたことがそのまま自社に跳ね返ってくる「特大ブーメラン」になりかねない状況だ。コラムの電子版記事は有料限定とあって、17日18時の時点ではツイッターでさほど拡散していないが、すでに見つけた人が

「この人(注・郷氏)に今日甲子園をコロナにより辞退した、宮崎商業高校の事を聞いてみたい。」

といった感想が出始めている。朝日新聞は、社説でオリンピック中止を求めた時も、なぜか矛先のほとんどを菅首相や政府に向け、主催者のIOCや東京都の小池都知事は付け足し程度にしか要求しない謎ロジックを展開。そして社説が出た後も、大会スポンサーを降りなかったことが炎上を拡大し、社外から整合性を問いかける声が噴出したばかりでなく、週刊文春などで社内での議論百出ぶりも書かれてしまった。

コロナ禍での大会開催や公平性を、よそのスポーツ大会に求めて、自社イベントで感染者を出してしまったことについて、朝日新聞や郷氏はどのような見解を示すのだろうか。

 

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