「サミット後初」原爆の日、今年も左派は“場違いデモ”をやってしまうのか?
なぜか「天皇制打破」「死刑反対」ののぼり...- G7後初の原爆の日、今年も懸念されるデモ騒音問題
- 平和式典とは「場違い」な訴え、条例制定で厳粛な式典求めるも…
- G7後で注目度も上がる中、今年もデモ側は不誠実な対応をするのか
被爆地・広島市は8月6日、78回目の「原爆の日」を迎えます。
平和記念公園(広島市中区)では、午前8時から広島市主催の平和記念式典(「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」)が執り行われます。式典中、原爆投下の午前8時15分には、参列者一同が黙とうし、原爆犠牲者や恒久平和への祈りを捧げます。
ところが、これまでSAKISIRUでたびたび言及してきたように(一昨年の記事、昨年の記事)、厳粛で静謐な環境で催されるべき平和記念式典は、中核派をはじめとする左派デモ団体の騒音により、「原爆死没者の霊を慰め(慰霊)、平和を祈り念じる(平和祈念)」という、式典本来の目的達成を阻害されています。
「8月6日」は、広島市のみならず、国内外問わず、平和の観点から象徴的な一日といえます。また、今年5月のG7広島サミット後、初めて開催される平和記念式典であり、これまで以上に注目度、重要性ともに高まっています。
平和記念式典を前に、新聞やテレビといったオールドメディアではほとんど報じられることのない左派デモ騒音問題の現状や、広島市や広島市議会、有志の皆様による問題解決に向けての取り組みを知っていただき、デモ騒音問題を注視していただけたらと思います。
「厳粛な式典」条例制定するも…
まず、改めてこれまでの経緯です。
広島市によりますと、2010年頃から平和記念式典の挙行中に左派デモ団体による騒音問題が顕在化しました。その後、デモ騒音は悪化の一途をたどり、解決への糸口を探るべく、広島市は2018年度に式典中の騒音に関する市民アンケートを実施しました。多くの参列者は騒音に対して良くは感じておらず、19年6月、「平和記念式典が厳粛な中で挙行されるよう協力を求める決議案」が全会一致で可決したのです。さらに、21年6月、議会提案による「広島市平和推進基本条例」が成立しました。
この条例は、平和行政における広島市と広島市議会の責務、広島市民の役目を理念的に明文化したもので、6条第2項では、「本市は、平和記念日に、広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式を、市民の理解と協力の下に、厳粛の中で行うものとする」と規定しています。
また、広島市議会については「市議会は、(中略)平和の推進に関する活動を行うものとする」(第4条)と謳っています。
ただ、同条例成立後、2度ほど平和記念式典を実施しましたが、式典中のデモ騒音問題に劇的な進展はみられません。有志の皆様は粘り強く市議会に請願や陳情を出したり、各地で勉強会や街頭活動を展開されたりしています。広島市や広島市議会は、こうした思いに応える責務があるのです。
次に、8月6日当日の左派デモの行動です。まず、午前6時頃から原爆ドーム周辺に集合します。学生団体や労組などのメンバーが全国各地から集まっています。そして、「集会」として、拡声器でシュプレヒコールを繰り返します。
平和記念公園は広島市が管理する公的な場所ですので、大挙して占有状態にしたり、立ち止まって往来を阻害したりすることはできません。管理上の責任は広島市にあるわけですから、こうした状態を解消するため、何らかの手立てを講ずる必要性があるのです。
そして、平和記念式典が始まる午前8時頃、左派デモ団体は平和公園東側を流れる元安川沿いを南下していきます。この際、過去には「アベ(安倍晋三・元総理)たおせ」「スガ(菅義偉・前総理)帰れ」「キシダ(岸田文雄総理)帰れ」などと叫んでいます。また、デモメンバーが持つのぼりには、「天皇制打破」「死刑反対」「改憲阻止」といった文字が並びます。原爆犠牲者を悼む平和記念式典には到底、場違いと言わざるをえません。
被爆者の思い、今年も踏みにじるのか
罵声といってもいい、こうしたシュプレヒコールは、広島市長による「平和宣言」や総理大臣のあいさつの最中にめがけて音量が上がってきます。当然、式典会場にも聞こえてきます。この数年、広島市と左派デモ団体は一定以上の音量を出さないことを合意していましたが、守られたことはありません。むしろ、左派デモ団体は合意破りを棚に上げて、音量が超えたことを広島市や広島市議会のせいにし、かみ合わない主張を繰り返しているということです。
こうした不誠実な態度をみれば、左派デモの目的は平和の希求ではなく、式典の妨害そのものだと思われても致し方ないでしょう。私自身、祖母が被爆した被爆3世です。1年に一度、祖母をはじめとする被爆者の皆様に対して平和への思いを誓う機会を妨害され、無念の思いでならないのです。
最後に、新型コロナウイルスが感染症法上の取り扱いが5月、2類相当から季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられました。これまでの日常を取り戻す中、広島市の玄関口である広島駅には大きな荷物を持った外国人があふれ、平和記念公園を訪れる外国人が目に見えて増えています。
コロナ禍後、初めて迎える平和記念式典で、参列者数はコロナ禍前の2019年と同規模を予定しています。加えて、G7広島サミット後、多くの要人を迎える平和記念式典となります。必然的に、これまで以上に注目される「8月6日」となるわけで、上述のようなデモ喧噪をさらすことは恥であり、何よりも、原爆犠牲者の皆様に顔向けできることではありません。
以上のような思いを踏まえ、78回目の原爆の日が、静かに犠牲者を悼み、先人に感謝し、恒久平和を希求する日となるのか、多くの皆様に注視していただけたらと思います。
■
続編:当日の様子はこちら。
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