できる営業が持っている3つの自信とは?

重松和佳子『人生が変わるクリエイティブ営業術!』#4
外資系生命保険会社 営業所長、THE SWITCH編集長
  • 前回の記事で売れる営業と振るわない営業の違いは「自信」と筆者
  • 「商品」「会社」「自分」営業に必要な3つの自信について深掘り
  • 自信を得る上で大切なこと。筆者の2歳の娘の歌から学んだこととは

売れる営業と成績が振るわない営業の違いは何か。先輩や私自身の経験を踏まえ、昨日の記事では「自信」があるから、お客様に信頼していただけるのだと述べましたが、それでは「自信」とは、なんでしょうか。営業に必要な自信は、大きく3つあります。すなわち、① 商品に対する自信、②会社に対する自信、③自分に対する自信…です。

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商品、会社、自分…3つの自信

まず、商品について。営業は誰かを騙してものを売りつける仕事ではありません。頭を下げて買ってくださいと懇願する仕事でもありません。お客様のお困りごとが解決するから、その商品を売っているはずです。これが商品に対する自信です。お客様にとって必要ない商品を売っていませんか?まさか営業成績のためにお客様に売りつけていませんか?まずは商品のことをよく知りましょう。市場をよく知りましょう。勉強・勉強・勉強です。そして商品を売る営業職という仕事についても自信を持てるといいですね。営業は商売の最前線です。たくさんの人が関わっていろんなサービスやものを提供していますが、お客様に一番近くで携われ、商売の根幹の金銭授受が行われる現場であり、市場動向を一番感じ取れる仕事です。営業職を私は誇りに思います。

次に、会社について。あなたはなぜ今の会社で働いていますか?例えば理念に共感して、タイミングが合って、または誰か働いている人に魅力を感じて入社されていると思います。入社したのなら会社を好きになって働く方が幸せです。働き出して年月が経ったら、人が入社したくなる会社を作る努力をして欲しいと思います。会社に不信感があると、営業は売れません。自分が信じていない会社の商品をなぜお金を出してお客様は買わなければならないのでしょう。理念に共感できなかったり、尊敬する人がいない会社だったりするなら、人生の時間が無駄なので退職するのもひとつの手です。

最後、自分に対する自信について。これは最も難しいかもしれません。まだ何も結果が出ていないし…そんなふうに思うかもしれません。多くの人は「自分にはできる!という自信が持てない」と言いますが、私は自信というものをそう捉えていません。辞書にあったように自信とは「自分の正しさを信じて疑わない心」だとも思いません。

私にとって自信とは「自分には価値がある」と思えることなのです。「自分はたくさんの人のおかげでここまで生きてきた」「大切にしてもらった自分には価値がある」「面白く無い人生や頑張らない人生を送ったらこれまでお世話になった人に申し訳ないから精一杯生きよう」「自分は幸せな人生を送ると決めたのだ」このような考え方をすることが自信を持つということなのではないでしょうか。もともと自信がなく「強くなりたい」と願い続けた私が変わったのはまさにこのような考え方に出会ってからでした。

2歳の娘の歌から教えられたこと

自信をつけるには、自分と向き合うことが必要です。当然自分の弱いところと対峙しなくてはなりません。お客様の話してくれたことが知らない話題だったときに、適当に相槌を打ってしまうのは自信がないからです。虚勢を張って自分を大きく見せようとするのも自信がないからです。人は素朴さを好み、胡散臭いものを遠ざけます。だから、素の自分を磨くしかないと私は考えています。

例えば、結婚するときに嘘をついていたら、いつか破綻すると思いませんか?料理は苦手なのに得意ぶったり、子どもやペットが苦手なのに好きなフリしたり、親と同居したくないのに同居歓迎と言ったり、朝ごはんはいらないのに相手に合わせて毎朝たっぷり食べると嘘をついたり…営業も同じです。正直でいることは、価値を生みます。我慢せずに素の自分が心から思うことを提案できたらどんなに楽でしょうか。相手もどんなに嬉しいでしょうか。

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以下に童謡「チューリップ」の歌詞を引用します。チューリップの歌、分かりますか?
「さいた〜さいた〜チューリップの花が〜」の、あの歌です。続きを脳内で歌ってみてください。
「どの花見ても きれいだな」で終わっています。娘が2歳の頃、よくこの歌を好んで歌っていました。私は2歳児に教えられました。

隣の花を羨ましがっても仕方がない。自分は黄色いチューリップなのに、となりの赤い薔薇を見て嫉妬していてはもったいない。薔薇にはない良さがチューリップにはあります。そういえば大ヒットした「世界に一つだけの花」も同じような歌詞がありましたね。「一人一人違う種を持つ その花を咲かせることだけに 一生懸命になればいい」…流行った頃は「一番を目指すことも大事だろ!」とツッコミを入れていた私ですが、一番を目指して努力することと、自分らしく一生懸命になることは両立できます

営業テクニックを磨く毎日の鍛錬はとても大切ですが、3つの自信を持てる努力も同時にすると、良いかもしれません。巷には営業のテクニック本がたくさんあります。しかしながら、泳げるようになるために競泳本を読んでも泳げるようにはなりません。トップセールスを目指すなら、練習を重ね、現場経験を積み、自己を磨き、自信をつけ、喜ばれる仕事をしていけたら良いなと思います。営業という仕事で皆さんの人生が彩られますように。

 
外資系生命保険会社 営業所長、THE SWITCH編集長

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