【特集予告】田中角栄からの卒業

日本再生へ注目すべきは政策的手腕

田中角栄からの卒業

田中角栄(1918〜1993)は、歴代総理の中でも屈指の国民的人気を誇ります。1972年の政権発足直後に行った朝日新聞の世論調査では、当時としては歴代最高の62%を記録。ロッキード事件で失脚し、1993年に75歳で死去した後も角栄伝説は語り継がれ、生誕百周年が近づいた5年ほど前には小説や漫画の出版が相次ぐなどフィーバーが再燃するのも特徴的です。

反面、シニア世代は角栄が猛烈にメディアに攻撃されていた時期もご記憶と思います。ロッキード事件が起きた70年代後半、あるいは政権退陣後の80年代半ばにかけて「闇将軍」「キングメーカー」として後年の中曽根政権誕生などに影響力を発揮したことが批判的に報じられました。

しかし、角栄の論調の賛否いずれも見逃しがちな事実があります。戦後の日本が焼け跡から奇跡的な成長を遂げる上で必要な経済政策、それも自ら議員立法を駆使するなどした「ルールメーカー」としての天才的な才覚です。ビジネスでいえば破綻した企業を新規事業で立て直すビジネスモデルづくりを主導したようなものかもしれません。

編集部撮影

時代は昭和から平成へ。角栄は平成5年(1993年)に死去し、以後の日本は長期停滞に喘ぎ続けました。角栄が戦後つくった仕組みを時代に合わせてアップデートできなかったことが「平成の敗戦」の原因であり、角栄を真にリスペクトするのであれば、時代に合わせてモデルを作る政策的な手腕にこそ注目すべきではないのか?というのが今回の企画趣旨です。

SAKISIRU編集長の新田哲史が「ヌルい日本をもう一度アツくする」という創刊コンセプトの思いを込めて自ら取材・執筆。5日間に渡ってお届けします。

そもそも田中角栄を知らないという若い世代にも入門編としての記事もご用意。生前の角栄と関係したキーパーソンへのインタビューなどもご紹介します。お楽しみに。

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